2019年国際単位系(SI)基本単位の改定

📌 主なポイント
- ✓2019年5月20日に国際単位系(SI)の基本単位の定義が改定された。
- ✓キログラム原器などの人工物への依存を廃止し、普遍的な物理定数に基づく定義へ移行した。
- ✓プランク定数、電気素量、ボルツマン定数、アボガドロ定数の4つが新たに定義値として固定された。
2019年5月20日、国際単位系(SI)の基本単位の定義が根本的に改定されました。この改定は、2018年11月に開催された第26回国際度量衡総会(CGPM)において採択されたもので、単位の定義を人工物や特定の物質の物性値への依存から脱却させ、普遍的な物理定数に基づくものへと移行させる歴史的な転換点となりました。
改定の背景と目的
それまでのSI基本単位の定義には、国際キログラム原器のような人工物や、水の三重点といった特定の物質の物性値が用いられていました。しかし、人工物は経年変化や損傷のリスクがあり、普遍的な基準としては限界がありました。科学技術の発展に伴い、より高精度かつ安定した定義が求められるようになり、国際度量衡委員会(CIPM)は、全ての基本単位を「定義値とされた物理定数」に基づく定義にすることを決定しました。
物理定数に基づく新しい定義
今回の改定により、以下の4つの物理定数が不確かさのない「定義値」として固定されました。
- プランク定数 (h): 6.62607015×10-34 J s
- 電気素量 (e): 1.602176634×10-19 C
- ボルツマン定数 (k): 1.380649×10-23 J K-1
- アボガドロ定数 (NA): 6.02214076×1023 mol-1
これにより、キログラムはプランク定数から、アンペアは電気素量から、ケルビンはボルツマン定数から、モルはアボガドロ定数から導出されることとなりました。秒、メートル、カンデラについては、すでに物理定数に基づく定義となっていましたが、今回の改定で定義文がより自然法則に整合する表現へと整理されました。
主な変更点
特に大きな変化があったのは、質量の単位である「キログラム」です。長年、国際キログラム原器が質量の基準となってきましたが、この原器は廃止され、プランク定数を基準とする定義に置き換わりました。これにより、SI基本単位から人工の有形的存在が完全に排除されました。
日本の対応
日本国内においても、この国際的な改定に合わせて計量法関連の政令が改正されました。2019年5月20日の施行日より、日本の法令上の定義も新しいSIに準拠したものとなっています。
よくある質問
なぜ再定義が必要だったのですか?
キログラム原器はどうなりましたか?
私たちの生活に影響はありますか?
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参考文献
- Bureau International des Poids et Mesures (BIPM), "The International System of Units (SI) 9th edition", 2019.
- 産業技術総合研究所 計量標準総合センター, "国際単位系(SI)第9版(2019)日本語版", 2020.
- 経済産業省 計量行政室, "国際単位系の定義改定について", 2019.