電気工学

600Vビニル絶縁電線

日本工業規格(JIS C 3307)で定められた600Vビニル絶縁電線(IV線)および二種ビニル絶縁電線(HIV線)の構造、用途、許容電流、識別色について解説する技術記事。

📌 主なポイント

  • 600Vビニル絶縁電線(IV線)はJIS C 3307で規定されている低圧屋内配線用電線である。
  • 耐熱温度を75℃に高めたものは600V二種ビニル絶縁電線(HIV線)と呼ばれ、JIS C 3317で定められている。
  • 電気用品安全法における特定電気用品(PSEマーク対象)に指定されている。
  • 絶縁体の識別色は軟銅の場合、黒・白・赤・緑・黄・青の6色などが規格で定められている。

600Vビニル絶縁電線(ろっぴゃくボルト ビニルぜつえんでんせん、英語: 600 V polyvinyl chloride insulated wires、略称:IV)は、日本工業規格(JIS C 3307)で定められた、600Vまでの低圧屋内配線用として使用される電線である。

単線または撚り線の銅線をポリ塩化ビニル(PVC)で被覆した構造を持ち、一般家屋やビルなどの屋内配線において広く用いられている。

種類と規格

標準的なIV線のほかに、耐熱温度を従来の60℃から75℃へと高めた600V二種ビニル絶縁電線(英語: 600V heat-resistant polyvinyl chloride insulated wires、略称:HIV)がJIS C 3317で定められている。

これらの電線は、電気用品安全法において特定電気用品(PSEマークの適用対象)に指定されている。また、規格の背景としては国際規格であるIEC 60227-3をもとに、日本国内の施工環境や事情に合わせて技術的内容を変更して制定された経緯がある。

施工と用途

IV線およびHIV線は、アース(接地)線として緑色の被覆を持つものが一般家屋やビル等で利用されるほか、それ以外の色は原則として電線管に収めてビル内の屋内配線などに使用される。

アース線としての使用など一部の例外を除き、柱や梁などの造営材にステップル等で直接固定することは禁じられている。そのため、電線管に収めるか、がいしにバインド線で固定するなどの方法で施工される。

また、600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル(VVFやVVR)の外側のシースを剥いて取り出した心線はIV線と同等のものであるため、スイッチボックス内での短距離の「わたり線」などにおいては、ケーブルの端切れから心線を取り出して利用されることもある。

許容電流

電線に流すことのできる電流の許容値(許容電流)は、日本電線工業会が定める規格(JCS 0168-2など)に基づいている。許容電流は心線の太さ(導体サイズ)や、電線管に収める電線の本数、周囲の温度条件などによって変化する。

絶縁体の識別色

絶縁体は回路の識別標識を兼ねており、素材への色の練り込みや表面への着色によって色分けがなされている。JIS規格では、導体が軟銅の場合は黒・白・赤・緑・黄・青の6色、硬銅の場合は黒・白・青の3色が規定されている。

VVFケーブル等では通常見られない黄色や青色などの識別色が利用できるため、ビル内の電線管工事において、スイッチと負荷機器を結ぶ配線を電源線と明確に区別する目的で活用される。

よくある質問

600Vビニル絶縁電線(IV線)の主な用途は何ですか?
ビルや一般家屋の屋内配線において、電線管に収めて使用されるほか、緑色の被覆を持つものはアース(接地)線としても広く用いられています。
IV線とHIV線の違いは何ですか?
IV線(JIS C 3307)の耐熱温度が60℃であるのに対し、HIV線(JIS C 3317)は耐熱温度を75℃に高めた二種ビニル絶縁電線です。
IV線を建物の柱や梁に直接固定して使用できますか?
アース線の目的で使用するなどの例外を除き、ステップル等で造営材に直接固定することは禁じられており、電線管に収めるか、がいしに固定して使用する必要があります。

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参考文献

  • 日本工業規格 JIS C 3307 規格書 600Vビニル絶縁電線
  • 日本工業規格 JIS C 3317 規格書 600V二種ビニル絶縁電線