政治学・法学

行政の概念と法体系

行政の定義、法律学および行政学における役割、行政法体系の構成要素について解説します。

📌 主なポイント

  • 行政は、立法および司法を除いた国家の統治作用として定義される。
  • 行政法は、行政組織法、行政作用法、行政救済法の三部門で構成される。
  • 行政救済法には、行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法などが含まれる。

行政(ぎょうせい、英: administration / executive)とは、国家の統治作用のうち、一般に立法および司法を除いた作用を指します。法律学においては国家作用の一種として把握され、行政法の対象となります。一方、行政学においては、国家や地方公共団体による公共政策の実施過程として捉えられます。

行政法学上の定義

法律学において、行政は立法権、司法権と並ぶ統治権の一つとして位置づけられます。行政を行う権能を行政権と呼びます。

実質的意義と形式的意義

国家作用を性質に基づいて分類する「実質的意義の行政」と、行政府に属する一切の作用を指す「形式的意義の行政」の二つの側面があります。例えば、日本において政令の制定は実質的には立法作用ですが、行政府の権限であるため形式的には行政に含まれます。

行政法体系

行政法は、行政の組織・作用・救済を規律する法分野であり、主に以下の三部門に大別されます。

行政組織法

行政主体や行政機関の組織、権限、相互関係を規律する法です。国や地方公共団体が行政主体となり、地方分権の進展に伴い地方公共団体の役割が重要視されています。

行政作用法

行政主体が私人に対して行う活動を規律する法です。行政立法、行政行為、行政契約、行政指導などが含まれます。法治国家の原則に基づき、行政は法に従って行われる必要があります。

行政救済法

行政活動によって国民の権利利益が侵害された場合の救済手段を定めます。行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法などが代表的です。

よくある質問

行政と立法・司法の違いは何ですか?
立法は法を制定する作用、司法は法を適用して紛争を解決する作用であり、行政はそれらを除いた公共政策の実施や執行を担う作用です。
行政救済法とはどのようなものですか?
行政活動によって国民の権利が侵害された際に、不服申立てや裁判を通じて救済を図るための法分野です。

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参考文献

  • 塩野宏『行政法1 第4版 行政法総論』
  • 原田尚彦『行政法要論 全訂7版』
  • 稲葉馨・人見剛・村上裕章・前田雅子『行政法 第4版』
  • コトバンク「行政」