民間航空機のリース事業と市場の仕組み
📌 主なポイント
- ✓2024年時点で、世界で運航されている航空機の47%がリース会社によって所有されている。
- ✓ウェット・リースは機体に加え乗員、メンテナンス、保険をセットで提供する形態であり、ACMIとも呼ばれる。
- ✓ドライ・リースは機体のみの貸し出しであり、保険や乗員は借り主側が用意する。
航空機リースとは、航空会社や航空機運用者、所有者の間で行われる航空機の貸借取引であり、目的や期間に応じて多様な形態が存在します。航空会社が機体を自社購入するのではなくリースを活用する主な理由は、巨額な初期費用を抑える財務的な配慮と、一時的な需要の高まりや新規路線開設への柔軟な対応にあります。
市場の動向
航空機リース市場は世界的に拡大を続けており、日本経済新聞の報道によれば、2024年時点では世界で運航される商業用航空機の約47%がリース会社によって所有されています。世界最大のリース会社であるエアキャップは約1300機の航空機を保有し、多数の航空会社へ貸し出しています。日本国内においても、オリックスや三菱HCキャピタルなどの総合リース会社をはじめ、メガバンク系の参入などが見られます。
リースの主な形態
航空機のリースは、主に機体の貸し出しのみを行う「ドライ・リース」と、乗員やメンテナンス、保険などをセットで提供する「ウェット・リース」に大別されます。航空会社は運航計画や路線戦略に応じて、これらを組み合わせて活用することがあります。
ウェット・リース(ACMI)
ウェット・リースは、貸主が航空機本体に加えて乗員、メンテナンス、保険をセット(一般にACMIと称される)で提供し、借り主である航空会社や旅行代理店に運行時間あたりの料金で貸し出す形態です。通常は1か月から2年程度の短期的な契約が多く、一時的な需要の急増や定期メンテナンス期間中の補完、あるいは新路線の開設時に利用されます。イギリスでは、ウェット・リースは貸主の航空運送事業許可(AOC)に基づいて運航されます。
ドライ・リース
ドライ・リースは、航空機本体のみを対象とする貸借であり、保険、メンテナンス、乗員などはすべて借り主である航空会社側が手配します。契約期間は2年以上の長期にわたることが一般的です。大きな航空会社と地域路線を運航する小規模な航空会社の間でも利用され、運航コストの抑制などに寄与しています。また、経済耐用年数の長さや中古市場の存在を背景に、税金対策や投資商品を目的とした「航空機オペレーティング・リース」として、異業種からの参入も見られる分野です。
よくある質問
航空機リースとは何ですか?
ウェット・リースとドライ・リースの違いは何ですか?
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参考文献
- 日本経済新聞 「航空機リース 利用拡大、世界の47%」 2023年11月21日
- 野村バブコックアンドブラウン株式会社 「航空機オペレーティング・リース」