化学
アルケンの基礎と化学的性質

アルケン(オレフィン)の構造、命名法、主な合成法、および付加反応や重合反応などの化学的性質について解説する化学事典項目です。
📌 主なポイント
- ✓アルケンはC-C二重結合を1つ持つ不飽和炭化水素であり、一般式は CnH2n (n≧2) である。
- ✓エチレン系炭化水素やオレフィンとも総称される。
- ✓C-C二重結合に含まれるπ結合の存在により、様々な付加反応や重合反応を起こしやすい。
- ✓IUPAC命名法では、対応するアルカンの語尾を -ene に変えて命名される。
アルケン(英: alkene)は、炭素原子間に少なくとも1つのC-C二重結合を持つ不飽和炭化水素の一種であり、エチレン系炭化水素やオレフィン(olefin)とも呼ばれる。一般式は CnH2n (n ≧ 2)で表される。

C-C二重結合は1つのσ結合と1つのπ結合から構成されており、特にπ結合は結合エネルギーがC-H結合よりも小さいため、求電子試薬などによる付加反応が起こりやすいという特徴を持つ。
命名法
IUPAC命名法におけるアルケンの系統名は、対応するアルカンの語尾「-ane」を「-ene」に変更して命名される。例えば、エタン(ethane)に対応する最小のアルケンはエテン(ethene、慣用名:エチレン)となる。

二重結合の位置や置換基の立体配置によって異性体が存在する。二重結合の周りの回転が制限されるため、シス-トランス異性体(あるいはE/Z配置)が生じる点が大きな特徴である。

主な生成法
- アルカンのクラッキング:石油精製の過程で行われる熱分解反応。
- アルコールの分子内脱水:酸触媒を用い、ザイツェフ則に従ってアルケンを生成する。
- ハロゲン化アルキルの脱離反応:強塩基を作用させることでハロゲン化水素を脱離させる。
- アルキンの還元:リンドラー触媒による部分的還元でZ型アルケンが、バーチ還元によりE型アルケンが得られる。
化学的性質と主な反応
アルケンの中心的な反応は、π結合に起因する求電子付加反応である。
- 水素化反応:触媒(パラジウムや白金など)の存在下で水素を付加させ、飽和炭化水素(アルカン)へと変換する反応。
- ハロゲン化物の付加:臭素や塩素などのハロゲン分子が二重結合に付加し、1,2-ジハロゲン化物を生成する反応。
- 重合反応:チーグラー・ナッタ触媒などを用いてポリエチレンやポリプロピレンなどのポリアルケンを合成する付加重合。
よくある質問
アルケンとは何ですか?
アルケンは分子内に炭素間二重結合を1つ持つ不飽和炭化水素の総称です。一般式はCnH2nで表され、エチレンやプロピレンなどが含まれます。
オレフィンという呼び方の由来は何ですか?
塩素を作用させると油状の生成物が得られることに由来し、ラテン語の「油(oleum)」にちなんで「オレフィン・ガス」と呼ばれていたことに由来します。
アルケンの代表的な化学反応は何ですか?
二重結合のπ結合に起因する求電子付加反応(水素化、ハロゲン付加など)や、高分子を合成する付加重合反応が代表的です。
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参考文献
コトバンク - 世界大百科事典「アルケン」