航空における高度計規正値の仕組みと種類
📌 主なポイント
- ✓高度計規正値にはQNH、QFE、QNEの3種類が存在する。
- ✓QNHは海抜高度を得るために用いられ、日本国内の14,000フィート以下などで使用される。
- ✓QNEは1013.2ヘクトパスカル(29.92 inHg)を基準とし、高高度飛行時のフライト・レベルで使用される。
- ✓日本国内(洋上を除く)では、平均海面上14,000フィートを境にQNHとQNEの規正値が切り替えられる。
高度計規正値(こうどけいきせいち、英語: altimeter setting)とは、航空機の気圧高度計における設定値であり、高度ゼロの基準に対応する気圧を指す。気圧高度計は国際標準大気に基づき気圧を高度へ換算しているが、実際の気圧は気象条件によって常に変動するため、正確な高度を把握するためには規正が必要となる。
高度計規正値の主な種類
国際的には、無線通信のQ符号に由来するQNH、QFE、QNEの3種類の規正値が用いられている。日本国内においては、主にQNHとQNEが使用される。
QNH
QNHは海抜高度を得るための規正値である。飛行場標高における気圧高度計の示度が正しい海抜標高を指すよう規正されているとき、高度ゼロに対応する気圧として算出される。一般的な気象用途における海面更正気圧とほぼ同等の値である。航空機は出発地のQNHに高度計を合わせた状態で離陸し、飛行中も気圧の変化や空域の移動に応じて管制機関から提供される各地のQNHへ修正を行いながら飛行する。
QFE
QFEは飛行場からの地上高度を得るための規正値であり、飛行場高度における気圧として定義される。着陸地点や空港において高度計の気圧セット・ノブを操作し、高度計の指示を0フィートに合わせるセッティングである。中国やロシアおよびその周辺諸国の一部で利用されるほか、離着陸訓練などで用いられることがある。
QNE
QNEは国際標準大気に則り、1013.2ヘクトパスカル(hPa)または29.92水銀柱インチ(inHg)を高度ゼロに対応させる設定である。主として高高度の管制飛行において使用される。QNHの気圧情報が届かない洋上や、日本国内の平均海面上14,000フィート以上の空域(米国では18,000フィート以上)で適用される。QNE設定時の気圧高度はフライト・レベルと呼ばれる。
転移高度と転移レベル
航空機が離陸して上昇する際、低高度ではQNHやQFEを用いるが、ある一定の高度に達するとQNEセッティングへ切り替える必要がある。この切り替えを行う高度を転移高度(Transition Altitude、TA)と呼ぶ。反対に、上空から降下してQNEからQNHまたはQFEへ切り替える際のフライトレベルを転移レベル(Transition Level、TL)と称する。これらの値は国や地域ごとに異なる。
日本における高度計規正の要領
日本国内の運用においては、次のような要領で高度計の規正が行われる。
- 出発地では、その飛行場のQNHに高度計をセットする。
- 平均海面上14,000フィート未満で飛行する間は、飛行経路上の地点におけるQNHの値を随時セットする。
- 14,000フィートを超える高度へ上昇する場合は、14,000フィートを通過する際にQNHからQNEへセットし直す。
- 降下時は、QNEからQNHへの切り替えを、QNHに合わせた時点で14,000フィートになるように行う。
- 洋上などのQNH適用区域外では常にQNEをセットする。
よくある質問
高度計規正値とは何ですか?
QNHとQNEの違いは何ですか?
日本国内ではどの高度からQNEに切り替えますか?
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参考文献
- 航空法施行規則第178条, e-Gov
- 航空管制の概要, 独立行政法人 電子航法研究所
- 航空実用事典, 日本航空