南米アンデス山脈の地理と地質構造の概説

📌 主なポイント
- ✓アンデス山脈は南米大陸の西側に沿って南北約7,500kmにわたって広がる世界最長の連続した褶曲山脈である。
- ✓山脈はベネズエラ、コロンビア、エクアドル、ペルー、ボリビア、アルゼンチン、チリの7カ国にまたがる。
- ✓最高峰はアルゼンチンに位置するアコンカグアで、標高は6,960mである。
アンデス山脈(スペイン語: Cordillera de los Andes)は、主に南アメリカ大陸の西側に沿って、北緯10度から南緯50度まで南北に約7,500キロメートル (km)、幅350〜750 kmにわたって広がる、世界最長の連続した褶曲山脈である。
山脈はベネズエラ、コロンビア、エクアドル、ペルー、ボリビア、アルゼンチン、チリの7カ国にまたがっている。最高峰はアルゼンチンにあるアコンカグア(標高6,960m、一説には7,021m)であり、山脈全体で6,000mを超える高峰が20座以上そびえ立っている。
地質と構造運動
アンデス山脈は、太平洋側の海洋プレート(ナスカプレートなど)が南米大陸プレートの下へと沈み込む沈み込み帯の上側で、大陸プレートが圧力を受けて隆起することによって形成されたと考えられている。この構造は日本列島とも共通点が多く、沖合には海溝が存在し、山脈上には多くの火山が分布している。
標高が非常に高いため、高山の頂上付近には氷河が発達している地域が多い。しかし、近年の気候変動などの影響により氷河の縮小が確認されており、ペルーなどでは1970年代以降に大きな割合で氷河が失われている。
地理的区分と地域別の特徴
アンデス山脈はその広大な範囲によって、北アンデス、中央アンデス、南アンデスの3つの地域に大別される。
北アンデス
ベネズエラ北部のカリブ海沿岸付近から始まり、コロンビア国内では東部山脈、中央山脈、西部山脈の3つに分岐して並走する。これらの山脈の間にはマグダレナ川やカウカ川の深い谷が刻まれており、コロンビアの人口や経済の中心地を形成している。エクアドル国内ではシエラ(山地)と呼ばれ、キトなどの高地盆地や数多くの火山が存在する。
中央アンデス
ペルーからボリビアにかけての地域では、海岸沿いの西部山脈、アマゾン側の東部山脈などに分かれて広がり、南緯15度以南では標高3,500mから4,500mの高地平原であるアルティプラーノが広がる。この地域にはチチカカ湖などの湖沼があり、ボリビアの首都ラパスやペルーのクスコなどの都市が発展している。
南アンデス
南緯25度付近より南の地域を指し、中央アンデスのような広大な高地平原はなくなり、険しい主脈がアルゼンチンとチリの国境をなす。チリ側の国土はアンデス山脈が太平洋に迫るため非常に細長くなっている。南緯42度以南のパタゴニア地方では、寒冷な気候と強い西風の影響によって氷河地帯が形成されている。
経済と資源
アンデス山脈は金、銀、銅、錫といった有用な鉱物が豊富に産出することで知られている。歴史的にはインカ帝国やスペイン植民地時代を通じて金・銀の採掘が行われ、近代以降はチリ北部における大規模な銅鉱山の開発など、南米各国の経済において重要な役割を果たしてきた。