物理学の単位

オングストロームの歴史と単位の変遷

オングストロームの歴史と単位の変遷
長さの非SI単位であるオングストロームの歴史的背景や、分光学における定義の変遷、メートル法との関係について解説する百科事典記事。

📌 主なポイント

  • オングストロームは10^-10メートルを表す非SI単位である。
  • 名称はスウェーデンの物理学者アンデルス・オングストロームに由来する。
  • 1907年に国際天文学連合(IAU)がカドミウムの赤線を基準として国際オングストロームを定義した。
  • 1960年のメートルの再定義に伴い、厳密な数値表現において乖離が生じた。

オングストローム(Ångström)は、主に分光学や原子物理学、結晶学などの分野で使用されてきた長さの非SI単位である。10-10メートル(100ピコメートル、0.1ナノメートル)に等しい。

アンデルス・オングストロームの肖像画
アンデルス・オングストローム

歴史的背景

分光法の先駆者であるスウェーデンの物理学者アンデルス・オングストロームが、1868年に10-10 mを単位として使用したことに由来する。当初は特に固有の単位名称は名づけられていなかったが、のちにその単位が「オングストローム単位(ångström unit)」と呼ばれるようになり、さらに略されて「オングストローム」と呼ばれるようになった。

定義の変遷と国際オングストローム

オングストロームが用いた単位は10-10 mであったが、当時メートル原器で定義されていたメートルよりも高精度の長さの単位が分光学の分野では求められていた。そのため、1907年に国際天文学連合(IAU)が初めてオングストロームを国際標準として定め、国際オングストローム(international ångström)として再定義した。このときの定義は「カドミウムの赤線の指定条件下における波長の1/6438.4696」とされた。

1927年には国際度量衡局(BIPM)もこの定義を採用した。メートルの精度が低かった時代においては、この定義と10-10 mとする定義との間に実用上の矛盾は生じなかった。

メートル法との統合と現状

1960年、メートル自体もクリプトンの橙色線の波長を基準として分光学的に再定義され、国際オングストロームと同等の精度を持つに至った。しかし、国際オングストロームを新しく定義されたメートルで表すと 1.0000002×10-10 m となり、厳密な数値の乖離が生じたため、2種類のオングストロームが並立する事態となった。

よくある質問

オングストロームは何メートルですか?
1オングストロームは10^-10メートル(0.1ナノメートル)です。
名前の由来は何ですか?
スウェーデンの物理学者であり分光法の先駆者であるアンデルス・オングストロームに由来しています。
国際オングストロームとは何ですか?
1907年に国際天文学連合(IAU)が定めた単位系であり、カドミウムの赤線の波長を基準として再定義されたものです。

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参考文献

Wikipedia - オングストローム (https://ja.wikipedia.org/wiki/オングストローム)