言語学
アポストロフィの言語学的用法と各言語における規則
英語、ドイツ語、フランス語、エスペラントなどの各言語におけるアポストロフィの用法、音の省略やエリジオン、正書法の規則について詳しく解説します。
📌 主なポイント
- ✓アポストロフィは英語において所有格や短縮形、音の省略を示すために広く使用される。
- ✓フランス語ではエリジオン(母音脱落)が発生した際にアポストロフィを用いて語を結合する。
- ✓エスペラントでは詩やリズムの調整のために名詞語尾や定冠詞の母音を省略する際に用いられる。
- ✓数字の前に配置することで、西暦の下2桁など年号の一部省略を表すためにも使われる。
アポストロフィ(')は、世界のさまざまな言語において、音の省略や文字の脱落、所有の表示などを表すために用いられる約物(補助記号)である。言語ごとにその用法や正書法の規則には特有の違いが見られる。
英語における用法
英語では、音の省略に伴って文字が省かれたことを示すためにアポストロフィが広く使われる。複数の単語が結合して一語に綴られる場合や、発音と表記を一致させるために用いられる。
所有格と接語の表記
現代英語において、所有を表す接語の -'s は、古英語の所有格語尾 -es に由来する。複数形の所有を表す場合は、語尾の -s の後ろにアポストロフィを付して -s' と表記される。
- the cat's (the cat + -'s)
- the cats' (複数の猫の)
また、be動詞や助動詞(have, will)の短縮形(接語形)にも用いられる。
- I'm (I am)
- you're (you are)
否定の not が結合した短縮形では n't が用いられる。
- aren't (are not)
- can't (cannot)
- don't (do not)
音の省略と短縮表記
発音上の省略を反映させるため、あるいは単語を短縮して表記するためにアポストロフィが挿入される。
- 'cause (because)
- o'clock (of the clock)
- gov't (government)
- int'l (international)
ドイツ語における用法
ドイツ語の正書法においても、音の省略や文字の脱落を示すためにアポストロフィが使用されることがある。
- ist's (ist es)
- hab' (habe)
フランス語における用法
フランス語では、エリジオン(母音脱落)が生じた際、語末の母音が省かれたことを示すためにアポストロフィが使われ、後続の語と結合する。
- l'ami (le ami)
- j'aime (je aime)
- c'est (ce est)
また、過去の語の結合に由来する表現にも残されている。
- aujourd'hui (au jour de hui)
エスペラントにおける用法
エスペラントでは、詩や楽曲のリズム調整などを目的として、名詞語尾の -o や定冠詞の母音 a を省略する際にアポストロフィが用いられる。
- apostrof' (apostrofo)
- de l' (de la)
- dank'al (danke al / danko al)
その他の言語および用法
イタリア語などのロマンス諸語では、連続する母音を避けるために先行する語の母音を省略する際にアポストロフィが用いられる。また、数字の前に置いて西暦の年号の百位以上が省略されていることを示す表記にも広く使われる(例:'90、'04)。
よくある質問
英語で複数形の所有格はどのように表記されますか?
複数形の所有格は、語尾のsのあとにアポストロフィを置いて『-s'』と表記します。
フランス語におけるエリジオンとは何ですか?
フランス語で母音の連続を避けるため、語末の母音が脱落する現象を指し、アポストロフィを用いて後ろの語と結合します。
西暦の年号の省略においてアポストロフィはどのように使われますか?
2桁の数字の前に置くことで、百位以上の数字が省略されていることを示します(例:'90)。
関連記事
正書法ローマ字句読点文法用語一覧
参考文献
ウィキペディア日本語版「アポストロフィ」の項目および各言語の正書法に関する言語学的資料。