気象学

霰(あられ):気象現象としての定義と分類

霰(あられ):気象現象としての定義と分類
気象現象である「霰(あられ)」について、雪霰と氷霰の定義、構造、形成過程、および気象観測における扱いを解説します。

📌 主なポイント

  • 霰は直径5ミリメートル未満の氷の粒と定義される。
  • 雪霰は白色不透明で砕けやすく、氷霰は半透明で密度が高い。
  • 氷霰は雹へと成長する過程の状態である。
  • 気象観測上、霰は雨や雪とは別の現象として扱われる。

霰(あられ)は、雲から降る直径5ミリメートル未満の氷の粒を指す気象現象です。主に積乱雲や発達した積雲などの対流性の雲から降る驟雨性の降水として観測されます。霰は大きく分けて「雪霰」と「氷霰」の2種類に分類されます。

ものさしを添えた霰
ものさしを添えた霰。直径5 mm未満であることが確認できる。

雪霰と氷霰の分類

雪霰(ゆきあられ)は、白色で不透明な氷の粒です。中心となる氷の結晶が微細な雲粒で覆われる構造をしており、隙間が多く含まれるため比重が小さいのが特徴です。堅い地面に落ちると弾み、砕けやすい性質を持ちます。

雪霰
雪霰。白色不透明で割れやすい。

一方、氷霰(こおりあられ)は半透明で、雪霰よりも密度が高く固い氷の粒です。雪霰が強い上昇気流の中で過冷却の水滴と衝突し、凍結と融解を繰り返しながら成長する過程で形成されます。氷霰は雹(ひょう)へと成長する途中の段階にあたります。

氷霰
氷霰。半透明で雪霰よりも固い。

形成と構造

霰は、雲粒の付着の程度や成長過程によって形状が異なります。電子顕微鏡による観察では、雪の結晶構造がそのまま維持されているわけではなく、角板、樹枝状、角柱、針といった結晶形状が混在した状態で凍結していることが確認されています。

電子顕微鏡で見た霰の表面
電子顕微鏡で見た霰の表面。規則正しい雪の結晶構造は見られない。

気象観測における扱い

気象庁の観測において、霰は雪や雨とは区別される大気現象です。かつては目視観測により記録されていましたが、自動気象観測装置への移行に伴い、機械による天気の自動判別では霰の正確な識別が困難であるため、現在では記録方法が変更されています。また、積雪計においては固形降水として測定されるため、雪が降っていなくても降雪として記録される場合があります。

地面に積もった雪霰
雪のように地面に積もった雪霰。
雨交じりの濡れた霰
雨交じりの濡れた霰。

よくある質問

霰と雹(ひょう)の違いは何ですか?
直径5ミリメートル未満のものを霰、それ以上の大きさのものを雹と呼びます。
雪霰と氷霰はどう違いますか?
雪霰は白色不透明で砕けやすい性質を持ちますが、氷霰は半透明で密度が高く、より固い氷の粒です。
霰はどのような雲から降りますか?
主に積乱雲や発達した積雲など、強い上昇気流を伴う対流性の雲から降ります。

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参考文献

  • 『最新気象の事典』東京堂出版
  • 『気象観測の手引き』気象庁
  • 『オックスフォード気象辞典』朝倉書店
  • World Meteorological Organization, International Cloud Atlas