建築学の概要と学問的体系
📌 主なポイント
- ✓建築学は主に構造系、計画系、環境系の3つの領域で構成される。
- ✓明治初期には「造家学」と呼ばれていたが、伊東忠太らの提唱により「建築学」へと改称された。
- ✓日本建築学会は、論文集を構造系、計画系、環境系の3つに分類して発行している。
建築学(architecture)は、建築物の設計、構造、材料、歴史、および人間と建築の関わりを総合的に研究する学問分野です。工学的な側面から芸術的・文化的な側面まで、極めて広範な領域をカバーしています。
学問的分類
建築学は多岐にわたるため、一般的に「構造系」「計画系」「環境系」の3つの大きなカテゴリーに分類されます。日本建築学会の論文集や、多くの大学のカリキュラムでもこの区分が採用されています。
構造系
建築物の安全性や物理的な耐久性を研究する領域です。鉄筋コンクリート構造、鉄骨構造、木構造などの構造形式のほか、構造力学、材料工学、耐震・免震技術などが含まれます。地震災害の多い日本においては、特に耐震性能の向上や不燃性素材の開発が重要な研究課題となってきました。
計画系
建築物の機能や空間のあり方を考究する領域です。人間の行動や心理に適した空間を設計する「建築計画学」、デザインや建築論を扱う「建築意匠学」、都市の構成やまちづくりを扱う「都市計画学」、そして過去の建築の変遷を辿る「建築史学」などが含まれます。
環境系
建築物内部の快適性や性能を数理的に探究する領域です。採光、換気、断熱、音響、空気調和などの「建築環境工学」や、機械設備・電気設備を扱う「建築設備学」がこれに該当します。
歴史的変遷
明治時代初期、日本において「Architecture」は当初「造家(ぞうか)」と訳され、工部大学校には「造家学科」が設置されていました。その後、伊東忠太らが「造家学」という名称では工学的側面が強調されすぎているとして、「建築学」への改称を提唱しました。これにより、現在の「建築学会」や「建築学科」という名称が定着しました。
現代の建築学
現代の建築学は、従来の枠組みを超えた学際的な広がりを見せています。情報技術の導入による「建築情報学」や、建築生産の合理化を追求する「建築生産学」、さらには不動産科学や防災学など、社会のニーズに合わせて研究領域は常に拡大・再編されています。
よくある質問
建築学はどのような学問ですか?
建築学の主な分類は何ですか?
なぜ「造家学」から「建築学」に変わったのですか?
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参考文献
- 建築用語辞典編集委員会編『建築用語辞典』技報堂、1965年。
- 菊池重郎「文部省における「百科全書」刊行の経緯について」『日本建築学会論文報告集』61巻、1959年。
- 日本建築学会ウェブサイト(論文・作品の募集にあたって)。