海洋学・気象学

Argo計画:全球海洋観測システムの概要と仕組み

Argo計画:全球海洋観測システムの概要と仕組み
Argo計画は、海洋表層から水深2,000mまでの水温・塩分をリアルタイムで観測する国際的な海洋研究計画です。その仕組みや歴史について解説します。

📌 主なポイント

  • Argo計画は、全世界の海洋における水温・塩分をリアルタイムで観測する国際研究計画である。
  • アルゴフロートは通常水深2,000mから海面までのデータを約10日周期で観測する。
  • 観測データは人工衛星を介して回収され、世界各国の研究機関や気象機関に提供される。

Argo計画(アルゴけいかく)とは、全球の海洋表層の水温・塩分プロファイルをリアルタイムに取得し、海洋物理学や水産学の研究、および海洋の気象予測の確立を目指した国際的な研究計画である。

Argoという名称は、全世界中層フロート観測網(A Global Array for Temperature/Salinity Profiling Floats)に由来しており、ギリシャ神話の英雄イアソンが乗ったアルゴ船にちなんで名付けられた。

観測の仕組みとアルゴフロート

Argo計画では、水深2,000 mから海面までの水温と塩分を約10日ごとに観測する「アルゴフロート」と呼ばれる観測機器を全世界の海洋に展開している。フロートは通常1,000 mの深度で漂流するように設計されており、約10日間その深度の海流に流された後、設定された最深圧力(通常2,000 m)まで沈み、そこから浮上しながら水温と塩分を観測する。

浮上したフロートは海面にとどまって人工衛星を介してデータを伝送し、再び漂流深度へと沈む仕組みになっている。収集されたデータは全球気象通信網(GTS)などを通して各国に配信され、気象機関や研究者に利用されている。

人工衛星から観測データを受け取るアンテナの調整風景
人工衛星から観測データを受け取るアンテナを調整しているところ

国際協力と導入の背景

本計画は世界気象機関(WMO)やユネスコ政府間海洋学委員会(IOC)などの国際機関の協力のもとで推進されている。日本では、政府のミレニアムプロジェクトの一環として「高度海洋監視システム(ARGO計画)の構築」に取り組み、海洋監視体制の強化を図ってきた。

よくある質問

Argo計画の主な目的は何ですか?
全球の海洋表層の水温・塩分プロファイルをリアルタイムに取得し、海洋物理学や水産学の研究、海洋の気象予測の確立に寄与することです。
アルゴフロートはどのように観測を行いますか?
通常は水深1,000mで漂流し、約10日ごとに水深2,000mまで沈んだ後、浮上しながら水温と塩分を測定して人工衛星へデータを送信します。

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参考文献

1. Japan Argo. www.jamstec.go.jp. 2020年5月4日閲覧。
2. 中層フロートによる中層循環の観測. 気象研究所海洋研究部. 2020年5月4日閲覧。