蒸発計の構造と農業における利用

📌 主なポイント
- ✓蒸発計(アトモメーター)は、大気への水の蒸発速度や植物の蒸発散量を測定する科学機器である。
- ✓多孔質の板と貯水器、および蒸発量を測るゲージから構成されている。
- ✓コロラド州立大学などの研究により、測候所データと同等の蒸発散量を算出できることが示されている。
蒸発計(英: atmometer または evaporimeter、アトモメーターとも呼ばれる)は、湿面から大気へ水分が蒸発する速度を測定するための科学機器である。主に農家や栽培者が、作物栽培地における蒸発散(ET)速度を把握するために用いる。
蒸発散とは、土壌表面からの蒸発と、植物表面からの蒸散を合わせた総水量を指す。この数値を測定・推定することで、作物の生育に必要な適切な水量を供給することが可能となり、水資源の効率的な利用や収穫量の最適化に寄与する。

設計と仕組み
基本的な蒸発計は、ガラス製またはプラスチック製の管を介して貯水器に接続された、多孔質のセラミック板などから構成される。板の表面の水が蒸発するにつれて、毛細管現象などにより貯水器から水が引き出され、板が再び濡れる仕組みになっている。
板の上部には特殊なカバー(キャンバスカバーなど)が設置されることがあり、これにより特定の気象条件下における植物の日射量や蒸発散速度をシミュレートする。また、側面には水位を読み取るためのゲージが備わっており、水位の減少量から蒸発した水量を算出できる。近年では、データロガーを備えた電子モデルも利用されており、自動的な記録が可能となっている。
農業および灌漑管理への応用
農業分野では、正確な灌漑スケジュールを決定するために蒸発計が活用されている。コロラド州立大学や米国農務省などの研究機関による調査では、蒸発計によって得られる蒸発散量のデータが、近隣の測候所から算出されるデータと非常に近い値を示すことが確認されている。そのため、周囲に気象観測インフラが十分に整備されていない地域や、圃場ごとの詳細なデータを必要とする場所において有用なツールとして利用されている。
測候所データとの比較における特徴
測候所の気象データから計算を行う手法と比較した場合、蒸発計にはいくつかの特徴が存在する。
- 利点: 比較的低コストで導入でき、構造がシンプルで操作が容易である。また、電源やコンピュータを必須としない手動モデルも存在する。
- 欠点: 屋外に常設するため天候による破損リスクがあり、定期的な水の補充が必要となる。手動モデルの場合は、観測者が直接ゲージを確認して記録する手間が生じる。
よくある質問
蒸発計とはどのような機器ですか?
蒸発計はどのような用途に使われますか?
測候所と比較した際の主な利点は何ですか?
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参考文献
- “Atmometers”. Colorado State University Cooperative Extension. 2019年9月閲覧。
- Irmak. “Using Modified Atmometers for Irrigation Management”. University of Nebraska. 2013年11月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年9月閲覧。
- Carlson. “Atmometers: A Simple, Site Specific Tool for Irrigation Scheduling”. 2013年11月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年9月閲覧。
- Battany. “Atmometers for Irrigation Management”. 2019年9月閲覧。