日本の自動車排出ガス規制の歴史と仕組み
📌 主なポイント
- ✓日本における自動車排出ガス規制は1966年の一酸化炭素濃度規制から始まった。
- ✓1968年に大気汚染防止法が成立し、法的な根拠が強化された。
- ✓規制手法は「単体規制」「車種規制」「運行規制」の3つに大別される。
日本における自動車排出ガス規制は、大気汚染の防止や環境保護を目的に、運輸省(当時)や環境庁などの主導によって段階的に強化されてきた法制度である。主に大気汚染防止法、道路運送車両法、自動車NOx・PM法、および自治体の条例などが基盤となっている。
規制手法の分類
日本国内で行われている自動車排出ガス規制は、主に「単体規制」「車種規制」「運行規制」の3つに大別される。
単体規制
一定の走行条件下で測定された排出ガス濃度が基準を満たしていない車両の新車登録を認めないことで、適合車のみの製造・販売を促す規制手法である。道路運送車両法およびその保安基準に基づき実施され、新車登録時に適用される。
車種規制
排出ガス濃度が基準に満たない車両について、新規登録や移転登録、継続登録を制限する手法である。中古車や使用過程車も対象となるため、新車への代替を促進する効果を持つ。
運行規制
特定の地域や条件において、排出ガス性能の劣る車両の通行を制限する手法である。大都市圏におけるディーゼル車規制条例や、自然保護のためのマイカー規制などがこれに該当する。
排出ガス規制の歴史的変遷
日本における本格的な排出ガス規制は、1966年(昭和41年)の一酸化炭素(CO)濃度規制から始まった。その後、1968年に大気汚染防止法が成立し、法的な根拠が確立された。
1970年代には、アメリカの1970年大気浄化法改正法(いわゆるマスキー法)の目標を参考に、日本でも厳しい排出ガス低減目標が設定された。1975年(昭和50年)および1976年(昭和51年)の規制(日本版マスキー法)では、一酸化炭素、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)の大幅な削減が図られ、特に1978年(昭和53年)の規制では三元触媒コンバータの実用化によって当時の世界でも特に厳しい基準が達成された。
1990年代以降は、ディーゼルエンジンから排出される窒素酸化物や粒子状物質(PM)の削減が主要な課題となり、新短期規制、新長期規制、ポスト新長期規制へと段階的な強化が続けられている。