環境法
自動車NOx・PM法:大気汚染対策の概要と規制の仕組み

自動車から排出される窒素酸化物(NOx)及び粒子状物質(PM)の削減を目的とした「自動車NOx・PM法」の概要、対象車両、規制内容、および2007年の法改正について解説します。
📌 主なポイント
- ✓自動車NOx・PM法は、トラックやバスなどのディーゼル車から排出されるNOxとPMの削減を目的としている。
- ✓指定された対策地域内では、基準を満たさない車両は車検を通すことができず、使用が制限される。
- ✓2007年の法改正により、局地的な汚染対策や交通需要を生じさせる建物への届出制度が強化された。
自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法(通称:自動車NOx・PM法)は、大都市圏における大気汚染の改善を目的として制定された日本の法律です。特にディーゼル車から排出される窒素酸化物(NOx)と粒子状物質(PM)による健康被害を抑制するため、特定の地域において厳しい排出基準を設けています。
規制の対象と仕組み
本法は、トラック、バス、ディーゼル乗用車、およびこれらをベースにした特種用途自動車を対象としています。指定された対策地域内に使用の本拠を置く車両は、定められた排出基準に適合しなければ車検を通すことができず、実質的に公道での使用が制限される「車種規制」が行われています。
なお、国による規制に加え、東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県の一都三県や大阪府、兵庫県の一部地域では、各自治体が独自にディーゼル車規制条例を施行しています。これにより、国による規制対象外の車両であっても、基準を満たさない車両の走行が禁止されるなど、より厳格な運行規制が適用されています。
2007年の法改正と重点対策
2007年(平成19年)の法改正(平成19年法律第50号)により、大気環境基準の達成が困難な地域に対する対策が強化されました。この改正は2008年1月1日に施行され、以下の措置が導入されました。
- 都道府県知事による「窒素酸化物重点対策計画」または「粒子状物質重点対策計画」の策定。
- 自動車の交通需要を生じさせる大規模な建物新設時の届出制度の導入。
- 対策地域外に本拠を置く事業者に対する排出抑制措置の拡充。
また、同改正に合わせて「自動車NOx・PM法適合車ステッカー制度」が開始されました。これは適合車両であることを視覚的に示すためのもので、平成17年排出ガス規制(新長期規制)適合車用と、それ以外の適合車用の2種類が存在します。

よくある質問
自動車NOx・PM法の対象となる車両は何ですか?
トラック、バス、ディーゼル乗用車、およびこれらをベースにした特種用途自動車が対象となります。
自治体のディーゼル車規制条例と国の法律の違いは何ですか?
国の法律は主に車検を通す際の基準(車種規制)を定めていますが、自治体の条例は地域内での走行そのものを禁止する(運行規制)など、より厳しい制限を設けている場合があります。
自動車NOx・PM法適合車ステッカーは必ず貼らなければなりませんか?
ステッカーの貼付は任意です。適合車であることを示すための制度であり、義務ではありません。
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参考文献
- 環境省:自動車NOx・PM法関連資料
- 自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法(平成19年改正法)