オートパイロットの仕組みと各交通機関における自動操縦技術

📌 主なポイント
- ✓オートパイロットは、人の手に代わって機械装置が乗り物の進行方向や速度などを自動的に制御するシステムである。
- ✓航空機のオートパイロットは巡航やアプローチなどで広く使われるが、一般に離陸操作は手動で行われる。
- ✓鉄道の自動運転では、国際規格等に基づきGoA0からGoA4までの自動化レベルが定義されている。
オートパイロット(英語: autopilot)とは、乗り物を人の手によらず、機械装置によって自動的に操縦する装置やシステムの総称である。「自動操舵装置」や「自動操縦」とも呼ばれる。
概要
オートパイロットは、乗り物の進行方向や速度などを人間の手に代わって機械が制御する仕組みである。旅客機を代表とする航空機や、船舶などの大型乗り物において広く導入されてきた。
航空機のオートパイロット
現代の航空機運航システムにおいて、離陸は人間であるパイロットが手動で行う必要があるが、離陸後に安全高度に達した後の巡航、アプローチ、そして着陸に至るまでの大半の飛行段階でオートパイロットを利用することができる。
単純なシステムでは所定の方角と高度を維持してパイロットの負担を軽減するが、高度なシステムでは飛行管理装置(FMS)に入力された飛行計画に従った方角・高度の自動操作に加え、推力の調整まで行う。推力の調整機構はオートスロットルと呼ばれる。2人乗務のコックピットでは、問題発生時にオートパイロットへ操縦を任せ、パイロットがトラブルシューティングにあたるのが基本となっている。

また、全翼機のB-2のように垂直・水平尾翼がなく、常にオートパイロットによる補正がなければ飛行できない機体も存在する。さらに、GPS衛星の電波を利用して現在位置を測定し、予定経路との誤差を自動修正する機能も組み込まれている。着陸においては、計器着陸装置(ILS)を用いた自動着陸が行われる。


船舶のオートパイロット
船舶用オートパイロットは、広義には設定方位に船首方位を追従させる方位制御システムと、計画航路に船体位置を追跡させる航路制御システムに分類される。
大型船舶では、あらかじめ入力した航路に沿って船舶を進ませるシステムが普及している。しかし、船舶のオートパイロットには周囲の障害物を自動検知したり衝突を回避したりする機能は2023年時点では標準搭載されていない。接岸時の操船に関しても、波や潮汐、積載量による挙動の違いがあるため補助的システムにとどまっていたが、2021年には商船三井が通常営業の大型フェリーによる自動離着桟実験に世界で初めて成功している。
また、セーリング・ボート(ヨット)の分野では、風に対する船の向きを保つ機械式のウインドベーンや、GPSデータを基に電動でティラー(舵棒)を操作するティラーパイロットが利用されている。


鉄道における自動運転
鉄道は軌道上を走行するため車両側の制御項目が事実上速度のみであり、技術的難易度が比較的低く、1970年代以降は自動列車運転装置(ATO)による運行が実現している。
| 自動化レベル | 通称 | 乗務形態 | 主な導入状況 |
|---|---|---|---|
| GoA0 | 目視運転(TOS) | 運転士及び車掌が乗務 | 路面電車 |
| GoA1 | 非自動運転(NTO) | 運転士が乗務 | ATS/ATC導入路線 |
| GoA2 | 半自動運転(STO) | 運転士が起動・ドア扱い等を実施 | ATO導入路線 |
| GoA2.5 | 添乗員付き自動運転(DTO) | 前頭に運転士以外の係員が乗務 | JR九州香椎線(一部列車) |
| GoA3 | 車内係員による自動運転 | 前頭以外に乗務する係員が対応 | 舞浜リゾートライン |
| GoA4 | 完全自動運転(UTO) | 係員の乗務が無い | 新交通システム |
よくある質問
航空機のオートパイロットで自動化できない操作は何ですか?
船舶用のオートパイロットにはどのような種類がありますか?
鉄道の自動運転レベルで完全自動運転を指すのはどれですか?
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参考文献
- 国土交通省 航空機のオートパイロットシステムに関する概要
- 国土交通省 海事:自動運航船の実用化へ向けた取組
- 松田真司「船舶用オートパイロット」計測と制御, 2011年。
- 羽根冬希「船舶用オートパイロットの制御技術」計測と制御, 2012年。