航空英語の概要と国際標準
📌 主なポイント
- ✓航空英語は民間航空における事実上の国際共通語として、パイロットや航空管制官の間で使用されている。
- ✓1951年に国際民間航空機関(ICAO)が国際航空無線での英語使用を勧告した。
- ✓2003年にICAOは国際業務に従事する航空関係者に英語運用能力の実地証明を求める方針を打ち出した。
- ✓無線通信では「Yes」「No」の代わりに「Affirm」「Negative」を用いるなどの厳格なルールがある。
- ✓日本国内では航空法に基づき、特定の位置や条件での運航において航空英語能力証明が必要とされる。
航空英語(こうくうえいご、英語: Aviation English)は、民間航空における事実上の国際共通語であり、パイロットや航空管制官などの専門職が無線通信において用いる。
歴史的背景と国際民間航空機関の勧告
1951年、国際民間航空機関(ICAO)は国際民間航空条約(シカゴ条約)の付属書10において、国際的な航空無線通信には英語が広く用いられるべきであると勧告した。当初は法的強制力のない勧告であったが、航空業界全体で英語の使用が定着していった。
しかし、航空事故の調査において英語によるコミュニケーションの問題やその欠如が重大な要因として挙げられる事例が発生した。これを受け、ICAOは2003年にシカゴ条約の付属書を改訂し、国際的な運航に従事する航空関係者に対して一定水準の英語運用能力の実地証明を義務付けることとした。
言語的特徴と通信の規範
航空英語は特定の目的のための英語(ESP)の一種であり、一般的な日常会話の英語とは異なる特有の用法や規則が存在する。無線通信における聞き間違いや誤解を防止するため、以下のような厳格な基準が定められている。
- 肯定や否定を表す場合には「Yes」「No」ではなく、それぞれ「Affirm(Affirmative)」「Negative」を使用しなければならない。
- 直前の発言の訂正や言い換えを行う場合には、必ず「correction」という語を発話する必要がある。
- アルファベットの伝達にはフォネティックコードを使用する。
フォネティックコードの標準的な語はICAOによって公式に発表されているが、各国における言語事情や他の航空用語との混同を防ぐため、一部の地域や機関では異なる表現が採用される場合もある。
航空英語能力証明と試験
標準化された言い回しや運用能力を担保するため、航空英語に関する試験や技能証明制度が確立されている。国際的にはイギリスのTest of English for Aviation(TEA)や、欧州航空航法安全機構が実施するELPACなどが知られている。
日本国内においては、航空法第四章第三十三条の規定により、日本国と外国との間を運行する航空機などに搭乗して業務を行う場合、国土交通省令の定めるところにより航空英語能力証明を受ける必要がある。
よくある質問
航空英語とは何ですか?
通常の英語とどのような違いがありますか?
なぜ航空英語の能力証明が必要なのですか?
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参考文献
- Aviation English: A lingua franca for pilots and air traffic controllers. Routledge. (2016年1月18日). ISBN 978-1138022386
- Status of English Language Standard for Use in Civil Aviation. International Civil Aviation Organization (2003年4月).
- 浦野靖弘. “航空英語能力証明制度の導入について” (PDF). 日本航空機操縦士協会.
- “航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)”. e-Gov法令検索.