BAe 146:イギリスの4発ジェットリージョナル旅客機

📌 主なポイント
- ✓BAe 146はイギリスのブリティッシュ・エアロスペースが開発した4発ジェットリージョナル旅客機である。
- ✓小型機でありながら4発エンジンを採用し、優れた低騒音性能と短距離離着陸性能(STOL)を持つ。
- ✓1981年9月3日に試作機が初飛行し、1983年に就航した。
- ✓1993年からは改良型である「アブロ RJ」シリーズへ移行し、2001年まで生産された。
BAe 146は、イギリスの航空機メーカーであったブリティッシュ・エアロスペース(現BAEシステムズ)が開発・製造した、短距離向けの4発ジェットリージョナル旅客機である。小型機でありながらジェットエンジンを4基搭載している点が大きな特徴であり、低騒音性能と優れた短距離離着陸性能(STOL)を活かして、騒音規制の厳しい空港や短い滑走路を持つ都市部の空港を中心に運航された。

開発の経緯
1960年代初期、デ・ハビランド・エアクラフトが支線向け高翼旅客機の設計を始めたことに端を発する。同社がホーカー・シドレーに吸収合併された後、ターボファンエンジンを搭載する双発機としての研究が進められたが、当時は適当な出力を持つエンジンが見当たらず開発が停滞した。その後、1971年にアメリカ製のアブコ・ライカミング ALF 502エンジンを4基搭載する高翼配置の設計案が採用された。1973年にイギリス政府の支援を取りつけて開発計画が承認されたものの、オイルショックによる世界的な景気失速の影響で計画は一時停滞した。その後、ホーカー・シドレーがブリティッシュ・エアロスペースの傘下に入り、1978年に政府の支援が回復したことで「BAe 146」として開発が再開された。

試作機の初飛行は、シリーズ 100が1981年9月3日に行われ、胴体延長型のシリーズ 200が1982年8月1日に初飛行した。1983年にヨーロッパの規則による型式証明を取得し、イギリスとスイスの間で初就航を果たした。
設計と特徴
BAe 146は、15度の後退角を持つ高翼配置の主翼とT字尾翼を組み合わせた機体形状を持つ。小型ジェット旅客機としては極めて珍しい4発エンジン構成を採用しており、アブコ・ライカミング(のちにハネウェル)製のエンジンを搭載している。また、機体後部のテールコーンが左右に開くことで空力を調整するエアブレーキを備えていることも特徴の一つである。これらの設計により、静粛性と高い離着陸性能が確保されており、滑走路が短く周辺の騒音制限が厳しいロンドンシティ空港などの都市型空港で広く活用された。


アブロ RJ
1993年からは、エンジンを換装し操縦系統の近代化を図った改良型であるアブロ RJ (Avro RJ)へ生産が移行した。定員に応じてRJ70、RJ85、RJ100などのモデルが展開されたが、シリーズ全体を含めて2001年に生産が終了した。


派生型
- シリーズ 100 (Avro RJ70):標準型の胴体を持つ基本モデル。
- シリーズ 200 (Avro RJ85):胴体を延長したストレッチ型。
- シリーズ 300 (Avro RJ100):さらに胴体を延長した大型モデル。
- 146-QT / 146-QC:貨物機型および貨客転換型。