数学
数学における球体:定義・超体積と幾何学的性質

数学における球体の定義、開球体と閉球体の違い、ユークリッド空間における超体積の計算、および距離空間やノルム空間での性質について解説する百科事典記事。
📌 主なポイント
- ✓数学における球体は、球面の内側にある空間全体を指す概念である。
- ✓境界の球面を含まないものを開球体、含むものを閉球体と呼ぶ。
- ✓n次元ユークリッド空間における超球体の体積はガンマ関数を用いて表される。
数学における球体(きゅうたい、英: ball)とは、球面の内側にある空間全体のことを指す。日常会話における「球」が表面の球面のみを指す場合があるのに対し、数学の厳密な定義では内部の体積を含む立体や空間全体を意味する。

境界である球面を全く含まない球体を開球体(かいきゅうたい、英: open ball)、球面を含むものを閉球体(へいきゅうたい、英: closed ball)と呼ぶ。
ユークリッド空間における球体
n次元ユークリッド空間において、中心 $x$、半径 $r$ の開球体は、$x$ からの距離が $r$ 未満であるような点全体の集合として定義される。これに対し、距離が $r$ 以下であるような点全体の集合が閉球体となる。
- 1次元の場合:有界な区間
- 2次元の場合:円の内部である円板とその境界
- 3次元の場合:通常の球面の内部である立体


n次元超球体の体積
半径 $R$ の $n$ 次元ユークリッド超球体の $n$ 次元超体積は、オイラーのガンマ関数 $\Gamma$ を用いて表すことができる。

偶数次元および奇数次元における具体的な特殊値の公式は以下の通りである。


一般の距離空間における球体
任意の距離空間 $(M, d)$ において、点 $p$ を中心とする半径 $r > 0$ の開球体 $B_r(p)$ および閉球体 $B_r[p]$ は距離関数を用いて同様に定義される。距離空間の部分集合が有界であるとは、それが適当な球体に完全に包含されることを意味する。

ノルム空間における球体
ノルムを備えたベクトル空間では、距離関数がノルムによって誘導される。数ベクトル空間 $\mathbb{R}^n$ に $p$-ノルムを与えた空間における球体の形状は、$p$ の値によって異なる幾何学的特徴を持つ。

例えば、2次元空間において $L_1$ ノルム(マンハッタン距離)に関する球体は軸に平行な正方形となり、$L_2$ ノルムでは通常の円となる。
よくある質問
球体と球の違いは何ですか?
日常的な言葉としては混同されることが多いですが、数学においては「球(または球面)」が境界の面のみを指すのに対し、「球体」はその内側の空間全体を含んだ立体や領域を指します。
開球体と閉球体の違いは何ですか?
開球体は中心からの距離が半径未満の点の集合であり、境界の球面を含みません。一方、閉球体は距離が半径以下の点の集合であり、境界の球面を含みます。
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参考文献
- Equation 5.19.4, NIST Digital Library of Mathematical Functions. http://dlmf.nist.gov/, Release 1.0.6 of 2013-05-06.