バオバブ属:生態、特徴、および分布する植物群の概要

📌 主なポイント
- ✓バオバブ属(Adansonia)はアオイ科に属する樹木の総称である。
- ✓幹の内部に多肉質で大量の水分を蓄える構造を持ち、乾季には落葉して休眠する。
- ✓マダガスカル、アフリカ大陸、オーストラリアの乾燥地帯に分布している。
- ✓年輪が明確ではないため樹齢の正確な測定が難しいが、放射年代測定によって数千年規模に達する個体が確認されている。
バオバブ(英名:Baobab、学名:Adansonia)は、アオイ目アオイ科バオバブ亜科に属する樹木の属の一つである。サバンナ地帯などの乾燥地域を中心に自生し、独特な形状の肥大した幹を持つことで広く知られている。
名称の由来
「バオバブ」という名称は、16世紀に北アフリカを旅したイタリア人の植物学者が著書に「バ・オバブ」と記したことに由来するとされている。語源については、アラビア語で「種がたくさんあるもの」を意味する表現に由来するという説が存在する。また、学名の Adansonia は、セネガルの植物相などを研究したフランスの自然科学者ミシェル・アダンソンにちなんで名付けられた。
形態と生態
バオバブ属の樹木は、徳利のように中央が大きく膨らんだ特徴的な幹を持つ。大きな個体では高さが30メートル、直径が10メートルに達することもある。幹の内部は多肉質で水分を蓄える構造になっており、乾季になると葉を落として休眠状態に入ることで乾燥に適応している。
年輪が明瞭ではないため正確な樹齢の測定は困難とされるが、放射年代測定などにより数千年に達する個体もあることが示されている。しかし、南部アフリカなどでは近年、気候変動や環境変化の影響によるとされる古木の枯死が報告されている。
分布と分類
バオバブ属には複数の種が確認されており、アフリカ大陸、マダガスカル、オーストラリアの熱帯・亜熱帯地域に隔離分布している。マダガスカルはバオバブ属の多様性の中心地であり、多くの固有種が生育している。
- アフリカバオバブ (Adansonia digitata):アフリカ大陸本土に広く分布する代表的な種。
- グランディディエバオバブ (Adansonia grandidieri):マダガスカル西部に分布し、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで絶滅危惧種に指定されている。
- オーストラリアバオバブ (Adansonia gregorii):オーストラリア北部や西オーストラリア州に分布する。
利用と文化
アフリカやオーストラリアの先住民族の間では、古くから生活の多用途に活用されてきた。果実の果肉は食用や調味料として利用され、ビタミンCなどの栄養素を含むことが知られている。また、種子からの採油や、樹皮の繊維を利用したロープの製造など、地域社会において多様な経済的・文化的価値を持っている。
よくある質問
バオバブはどこに自生していますか?
バオバブの幹が太い理由は何ですか?
バオバブの樹齢はどのくらいですか?
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参考文献
冨山稔『世界のワイルドフラワーI 地中海ヨーロッパ/アフリカ;マダガスカル編』学習研究社、2003年。
読売新聞『【世界深層in-depth】バオバブ 枯死の謎/農地開発か気候変動か』朝刊2019年9月20日。