森林における伐採の技術と種類

📌 主なポイント
- ✓伐採は森林の木竹を切り倒す行為であり、主に丸太や木材の生産を目的とする。
- ✓林業における主な区分として、収穫を目的とする主伐や、生育環境を整える間伐、除伐などがある。
- ✓間伐は林床への日照を改善し、下草の生育を促すことで土砂災害防止や森林の健全化に貢献する。
伐採(ばっさい)とは、森林の木竹を伐り倒す作業であり、通常は丸太や木材を生産する行為を指す。林業および森林管理において、伐採には目的や手法に応じた多様な分類が存在する。

伐採の手法と機械化
歴史的には、チェーンソーが普及する以前は斧と鋸を使用して人力で木を切り倒していた。基本的には倒したい方向へ幹に三角の切り込みを入れ、反対側から切断していく。切り倒す方向を調節したり、木の重みで鋸が挟まらないように切り口へ差し込む道具は「矢」と呼ばれる。
現代の林業においては、伐倒だけでなく枝払いや玉切り、集積までを一台で行う高性能林業機械であるハーベスターなどが活用されている。
林業における主な伐採の種類
林業における伐採は、その目的によっていくつかの種類に大別される。
主伐
主伐は、森林の樹木を収穫するために行う伐採であり、林業における主要な収入源となる。主伐には大きく分けて「皆伐」と「択伐」がある。
- 皆伐:対象となる区画にある樹木をすべて伐採する手法。伐採にかかる経費を抑えられる合理的な方法である一方、周囲の環境や景観に与える影響が大きいため、近年では区画の面積を小さくして環境負荷を軽減する取り組みが行われている。
- 択伐:伐期に達した木などを一定の基準で選び、適量ずつ数年から数十年おきに抜き切りして林内での更新を図る手法。持続的な林業経営が可能とされるが、適切な伐採量の決定が難しい側面もある。

間伐
間伐は、樹木の生長に伴って混み合ってきた森林において、生育を促すために一部の樹木を間引く作業である。森林の荒廃を防ぎ自然環境を守る目的のほか、林床に日光が届くようにすることで下草の生育を促し、土壌の流出や土砂災害を防止する重要な保育作業として位置づけられている。

日本国内では、戦前戦後に植林されたスギやヒノキの人工林が多く存在するが、安価な輸入木材の普及などの影響で十分な森林管理や間伐が行われない地域も生じている。必要な間伐が行われない場合、細い木が密集する「線香林」と呼ばれる状態になり、保水力の低下や災害に対する脆弱化を招くおそれがある。
こうした課題に対処するため、一定の間隔で列状に伐採する「列状間伐」や、重機を必要としない「皮むき間伐」などの手法が実施されている。また、地球温暖化対策としての森林の二酸化炭素吸収機能を維持・拡大するため、「森林の間伐等の実施の促進に関する特別措置法」なども制定されている。
除伐
除伐は、将来育成を目指す樹木以外の不要な樹木を伐採する作業である。農業における除草に相当し、目的樹木の生長を促すとともに、森林管理上の支障を取り除く役割を持つ。