宗教

聖書(ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の教典)

聖書(ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の教典)
ユダヤ教やキリスト教、イスラム教における聖書・啓典の歴史、構成、翻訳、各宗教における位置付けについて解説する百科事典記事。

📌 主なポイント

  • 聖書はユダヤ教およびキリスト教の教典であり、イスラム教でも啓典とされる。
  • キリスト教の聖書は旧約聖書と新約聖書の2つに大別される。
  • 英国外国聖書協会の2021年の調査によれば、聖書の総発行部数は50〜70億冊とされる。

聖書(せいしょ)とは、ユダヤ教およびキリスト教において教典・正典とされる文書群、およびそれらをまとめた書物のことである。イスラム教においても啓典の一つとして認められている。

名称の由来

英語の「バイブル」(the Bible)は、ギリシア語の「ビブリア」(書物の意、中性複数)がラテン語の「ビブリア」(単数女性)に転写されたものを語源としている。

ユダヤ教における聖書

ユダヤ教における聖書は、紀元前4世紀までにヘブライ語およびアラム語で書かれた文書群である。全24巻からなり、律法(トーラー)、預言者(ネビイーム)、諸書(ケトゥビーム)の3つに分類される。それぞれの頭文字をとってタナハとも呼ばれる。

正典の範囲は、1世紀末のヤムニア会議で確定された。ここから除外された文書は外典や偽典と呼ばれる。

キリスト教における聖書

キリスト教の聖書は、旧約聖書新約聖書で構成される。イエス・キリスト以前の神との契約を記したものが旧約聖書、キリストの教えや死後の出来事を弟子たちが記したものが新約聖書とされる。

構成と教派による違い

正教会やカトリック教会では、七十人訳聖書に基づく「第二正典(旧約聖書続編)」を正典に含める一方、プロテスタントではこれらを正典から外している。また、聖書に対する位置付けも教派によって異なり、カトリック教会では「聖書と聖伝」を並列して重視し、正教会では「聖伝の中に聖書が含まれる」とする。これに対しプロテスタントは「聖書のみ」を重要な教理としている。

イスラム教における聖書

イスラム教においても、モーセ五書(タウラー)、詩篇(ザブール)、福音書(インジール)などは神からの啓典として言及される。ただし、現行の聖書の内容には歪みが生じているとされ、内容に齟齬がある場合はクルアーンの記述が優先される。

翻訳と頒布

活版印刷の普及以降、聖書は世界各地で翻訳・出版されるようになった。英国外国聖書協会の2021年の調査によると、聖書の総発行部数は50〜70億冊と推定されており、ギネス世界記録に認定されている。また、全部または一部が3200以上の言語に翻訳されている。

よくある質問

聖書は何言語に翻訳されていますか?
2017年時点で、聖書の全部または一部は世界3200以上の言語に翻訳されています。
ユダヤ教の聖書は何と呼ばれますか?
律法、預言者、諸書の頭文字をとって「タナハ」と呼ばれています。

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参考文献

  • 『ギネス世界記録2023』174頁
  • 中村廣治郎『イスラム教入門』岩波書店、1998年