化学

化学における二元化合物の構造と命名法

二元化合物とは何か、その定義や共有結合性・イオン結合性化合物における命名法の規則について詳しく解説する化学事典記事。

📌 主なポイント

  • 二元化合物とは、全く異なる2種類の元素から構成される化合物である。
  • 共有結合性二元化合物では、原子の数を示すために漢数字の接頭辞が使用される。
  • イオン結合性二元化合物のうち、カチオンが複数の電荷をとるタイプ2ではローマ数字で酸化数が明記される。

二元化合物(にげんかごうぶつ、英語: binary compound)とは、完全に異なる2種類の元素から構成される化学物質の総称である。化学においては、結合の性質や構成元素の種類によっていくつかのグループに分類され、それぞれ固有の命名法が定められている。

分類と結合様式

二元化合物は、原子間の結合様式や構成元素の特性に基づいて、主に共有結合性化合物とイオン結合性化合物に大別される。共有結合性二元化合物の例としては、水(H2O)、一酸化炭素(CO)、六フッ化硫黄(SF6)などが挙げられる。一方、イオン結合性二元化合物には、塩化カルシウム(CaCl2)、フッ化ナトリウム(NaF)、酸化マグネシウム(MgO)などが含まれる。

二元酸

水素を含む二元化合物の一部は、特定の条件下で酸としての性質を示し、これらは二元酸(binary acid)と呼ばれる。主にハロゲン元素(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、アスタチン)や、硫黄、セレン、テルル、ポロニウム、ヒ素などが水素と結合して形成される。

無水の状態における二元酸は、結合している元素名の語幹に「〜化」を付し、その後に「水素」を続けて命名する(例:硫化水素、臭化水素)。これらの一連の化合物において、酸素、窒素、リンが水素と二元酸を形成しないことは化学的特性として特筆される。

また、二元酸の水溶液においては、名称の語尾を「〜酸」に変更して呼称する(例:フッ化水素酸、ヨウ化水素酸)。ただし、塩化水素の水溶液については一般に「塩酸」という慣用名が用いられる。

共有結合性二元化合物の命名法

共有結合性二元化合物では、電気陰性度の高い(陰性な)元素の語幹を「〜化」に変え、その前または後に対象となる元素名を配置して命名する。化合物中の各原子の数量を明示するために、元素名の前に漢数字の接頭辞を付加することが特徴である(例:三塩化リン、四フッ化炭素)。これに対し、イオン結合性化合物では原則として原子の数を命名時に明示しない。

イオン結合性二元化合物の命名法

イオン結合性二元化合物は、カチオン(陽イオン)とアニオン(陰イオン)の静電引力によって構成される物質である。カチオンの種類や価数に応じて、命名法がいくつかのタイプに分類される。

タイプ1

カチオンが単一の形状および電荷のみをとる化合物群である。これには第1族元素、第2族元素、およびアルミニウム(Al3+)、亜鉛(Zn2+)のカチオンが含まれる。命名の際は、アニオンを前置し、カチオンを後置する。カチオンは通常の元素名を用い、アニオンは語幹を「〜化」に変えた名称とする(例:フッ化リチウム、酸化バリウム)。

タイプ2

遷移金属、カドミウム、または水銀など、複数の異なる電荷をとるカチオンを含む化合物群である。これらのカチオンは価数が変動するため、元素名の直後にローマ数字を用いて酸化数を明記する(例:銅(II))。その後はタイプ1と同様にアニオンとカチオンを配置して命名する(例:酸化コバルト(II)、窒化鉄(III))。

タイプ3

多原子イオンを含むイオン結合性二元化合物である。カチオンおよびアニオンの配置順序は他のタイプと同様であるが、多原子イオンについてはそれぞれ固有の名称を用いて命名が行われる(例:アジ化アンモニウム)。

よくある質問

二元化合物とは何ですか?
全く異なる2種類の元素のみで構成されている化合物のことです。
共有結合性二元化合物の名前にはどのように数が示されますか?
それぞれの元素名の前に漢数字(例:三、四など)を付加して原子の数を示します。
イオン結合性二元化合物のタイプ2とはどのようなものですか?
遷移金属や水銀など、複数の電荷をとるカチオンを含む化合物であり、元素名の後ろにローマ数字で酸化数を付加して命名します。

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参考文献

  • Binary Compounds. http://www.meta-synthesis.com/webbook/38_binary/binary_compounds.php (2010年2月25日閲覧。)
  • Naming of Binary Compounds. http://library.thinkquest.org/19957/nomen/binarybody.html (2010年2月25日閲覧。)