自然科学
生物海洋学の概要と海洋生態系における研究
生物海洋学の定義、海洋生物学や水産海洋学との違い、プランクトンや微生物を中心とした物質循環の研究について詳しく解説します。
📌 主なポイント
- ✓生物海洋学は、生物過程や生態系の動態に着目して海洋のありかたを研究する学問である。
- ✓個々の生物の生理・生態を重視する海洋生物学とは区別されることが多い。
- ✓植物プランクトンや動物プランクトン、微生物などの微小生物が主な研究対象となる。
生物海洋学(せいぶつかいようがく、英語: biological oceanography)とは、海洋における生物過程や生態系の動態に着目して、海洋の全体像や物理・化学的環境との相互作用を明らかにしようとする学問分野である。
海洋生物学および水産海洋学との違い
生物海洋学は、個々の生物の生理や生態、形態などを主に対象とする海洋生物学(marine biology)と厳密ではないものの区別されることが多い。海洋生物学が個体や種の生物学的特性に焦点を当てることが多いのに対し、生物海洋学は生態系全体の中での生物の役割や、海洋環境における物質循環のプロセスを重視する。
また、魚類など人間にとって食料資源となりうる生物の生産環境や資源変動に重点を置いた場合には、水産海洋学(fisheries oceanography)として細分化されることがある。
主な研究対象と物質循環
生物海洋学における主要な研究対象は、植物プランクトン、動物プランクトン、および従属栄養性細菌などの微生物群集である。魚類やクジラ類、頭足類といった大型の海洋動物も研究対象には含まれるものの、個体数、種多様性、そして海洋全体の物質循環に対する寄与度の観点から、微生物やプランクトンが中心的な役割を担っている。
海洋の生態系においては、これら微小な生物が炭素や窒素などの栄養塩の循環や、地球規模の気候変動に深く関与していることが知られており、物理海洋学や化学海洋学とも密接に連携しながら研究が進められている。
よくある質問
生物海洋学とは何ですか?
生物過程や生態系の動態に着目して、物理・化学的環境と海洋生物の関わりを明らかにする学問です。
海洋生物学との違いは何ですか?
海洋生物学が個々の生物の生理や生態を中心に研究するのに対し、生物海洋学は生態系全体や物質循環への寄与に重点を置く傾向があります。
主な研究対象は何ですか?
植物プランクトン、動物プランクトン、従属栄養性細菌などの微生物が主に研究対象とされます。
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海洋生態系海洋生物学水産海洋学プランクトン物質循環
参考文献
- Lalli, C., & Parsons, T. R. (1997). Biological oceanography: an introduction. Elsevier.
- Miller, C. B. (2009). Biological oceanography. John Wiley & Sons.
- Miller, C. B., & Wheeler, P. A. (2012). Biological oceanography. John Wiley & Sons.
- Mills, E. L. (2012). Biological oceanography: An early history, 1870-1960. University of Toronto Press.