物理学
ボルツマン定数:定義と物理的意義

統計力学においてエントロピーと状態数を結びつける物理定数、ボルツマン定数(k)の定義、歴史、およびSI単位系における役割について解説します。
📌 主なポイント
- ✓ボルツマン定数の値は正確に 1.380649×10−23 J K−1 である。
- ✓2019年のSI単位系改定により、ケルビンの定義にボルツマン定数が採用された。
- ✓統計力学においてエントロピーと状態数を結びつける重要な物理定数である。
ボルツマン定数(英: Boltzmann constant、記号: k または kB)は、統計力学において、系の状態数とエントロピーを関係付ける物理定数である。オーストリアの物理学者ルートヴィッヒ・ボルツマンにちなんで命名された。
物理的意義
ボルツマンの原理によれば、エントロピー S は、あるエネルギー状態の下で系が取りうる状態の数 W の対数に比例する。この関係式は次のように表される。

この式における比例係数 k がボルツマン定数である。ボルツマン定数は熱力学温度をエネルギーに関連付ける役割を持ち、気体分子運動論においては、温度 T の系における粒子の平均エネルギーを E = kT のオーダーで評価するために用いられる。
SI単位系における定義
2019年5月20日に施行された国際単位系(SI)の改定により、ボルツマン定数は定義定数となった。その値は正確に以下の通りである。
k = 1.380649 × 10−23 J K−1
この定義により、温度の単位であるケルビン(K)は、ボルツマン定数を固定値とすることで定義されるようになった。また、ボルツマン定数 k にアボガドロ定数 NA を乗じることで、モル気体定数 R が得られる。
関連する物理量
ボルツマン定数は他の物理定数と組み合わせて用いられることも多い。プランク定数 h や光速度 c との比率は、分光学や量子力学的な計算において重要である。

よくある質問
ボルツマン定数は誰が導入しましたか?
マックス・プランクが1900年に導入しました。ルートヴィッヒ・ボルツマン自身はこの定数を直接使用したことはありませんが、彼の功績を称えて命名されました。
ボルツマン定数の値はどのように決められていますか?
2019年5月以降、ボルツマン定数は正確に 1.380649×10−23 J K−1 と定義されています。
ボルツマン定数とモル気体定数の関係は何ですか?
ボルツマン定数 k にアボガドロ定数 NA を掛けると、モル気体定数 R になります。
関連記事
統計力学エントロピー国際単位系ケルビン気体分子運動論
参考文献
- CODATA Value: Boltzmann constant (NIST)
- Boltzmann constant in eV/K, CODATA2018, Fundamental Physical Constants, NIST
- Draft Resolution A - 26th meeting of the CGPM (2018)