社会学・歴史学
ブルジョワジーの歴史的変遷と概念

ブルジョワジーの語源から、中世都市の市民階級としての成立、近世・近代における支配階級への発展、そして社会主義思想における概念の変化までを解説します。
📌 主なポイント
- ✓ブルジョワジーの語源は、後期ラテン語の「burgus(城壁に囲まれた町)」に由来する。
- ✓中世都市において、貴族や農民とは異なる商工業者の階層として成立した。
- ✓18世紀から19世紀にかけての市民革命において、政治的変革の主体となった。
- ✓産業革命以降は、産業資本家階級を指す言葉として定着した。
ブルジョワジー(仏: bourgeoisie)は、歴史的に都市の商工業者や有産市民層を指す用語であり、時代や文脈によってその意味合いは大きく変遷してきました。単数形ではブルジョワ(仏: bourgeois)と呼ばれ、個人を指します。
語源と中世の成立
ブルジョワジーの語源は、後期ラテン語の「burgus」(城壁に囲まれた町)に由来します。中世ヨーロッパにおいて、封建的な領主や農民とは異なり、城壁内の都市に居住して商工業を営む人々を指す言葉として定着しました。彼らは独自の経済活動を通じて富を蓄積し、中世都市社会において特異な階層を形成しました。

近世から市民革命へ
大航海時代以降、交易の拡大とともに港湾都市を中心に富裕な商人が台頭しました。絶対主義の時代には、中央集権化が進む中で経済的実権を握るようになり、貴族や聖職者といった旧来の支配階級と、労働者や農民との間に位置する有力な階層となりました。彼らは市民革命の推進主体となり、旧体制(アンシャン・レジーム)を転覆させる役割を果たしました。このため、市民革命はしばしば「ブルジョワ革命」とも呼ばれます。

産業革命以降の転換
19世紀の産業革命を経て、ブルジョワジーは産業資本家として経済的支配力を強めました。この時期、ブルジョワジーは貴族に代わる新たな支配階級として確立されました。一方で、社会主義思想の台頭により、ブルジョワジーはプロレタリアート(労働者階級)に対する搾取者として批判の対象となり、この用語はしばしば蔑称として用いられるようになりました。20世紀以降、社会主義体制下においても新たな支配層が形成されるなど、ブルジョワジーという概念は常に社会構造の変化とともに再定義され続けています。
よくある質問
ブルジョワジーとブルジョワの違いは何ですか?
ブルジョワジーは階級全体を指す集合名詞であり、ブルジョワは単数形でその階級に属する個人を指します。
なぜブルジョワジーは蔑称として使われるようになったのですか?
19世紀以降、社会主義思想において、労働者階級を搾取する資本家階級を批判する文脈で用いられるようになったためです。
市民革命における「市民」と現在の「市民」は同じですか?
異なります。市民革命当時の「市民」は主にブルジョワジーを指していましたが、現代ではより広く都市の居住者や国民全般を指す概念として用いられます。
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参考文献
ベルンハルト・グレトゥイゼン著、野沢協訳『ブルジョワ精神の起源:教会とブルジョワジー』法政大学出版局、1974年。