日本の国家資格
防災管理者制度の概要と役割
消防法に基づき、地震やテロなどの火災以外の災害に対する被害軽減を目的とした国家資格「防災管理者」の役割、選任要件、講習制度について解説します。
📌 主なポイント
- ✓防災管理者は消防法に基づき、地震やテロなどの火災以外の災害に対する被害軽減活動を行う責任者である。
- ✓防災管理者の選任には、甲種防火管理講習の修了に加え、所定の防災管理講習の受講が必要である。
- ✓選任されている防災管理者は、5年ごとに再講習を受講する義務がある。
- ✓管理権原が分かれている大規模建築物では、統括防災管理者の選任が義務付けられている。
防災管理者とは、消防法に基づき、建築物等の所有者または管理者から選任され、火災以外の災害(地震やテロなど)による被害を軽減するための活動を計画・実施する責任者を指します。防火管理者が主に火災への対応を担うのに対し、防災管理者は地震やテロといった大規模災害への備えを主眼としています。
制度の背景と目的
消防法第36条第1項の規定により、火災以外の災害に対して被害軽減の措置が必要とされる特定の建築物等において、防災管理者の選任が義務付けられています。防災管理者は、建物全体の防災計画を作成し、避難訓練の実施や被害想定の策定など、災害発生時の被害を最小限に抑えるための体制を構築する役割を担います。
選任要件
防災管理者の選任要件は消防法施行令で定められており、主に以下のいずれかに該当する者が対象となります。
- 甲種防火管理講習の課程を修了し、かつ防災管理講習を修了した者
- 大学または高等専門学校で防災に関する学科を修め、防災管理講習を修了した者
- 甲種防火管理講習を修了し、1年以上の防災管理実務経験を有する者
- 市町村の消防職員として、管理的または監督的な職に1年以上あった者
- その他、総務省令で防災管理者として必要な学識経験を有すると認められる者
なお、防災管理者に選任された者は、防火管理業務も併せて行うことが法的に求められています。
講習と再講習
防災管理者となるためには、都道府県知事や消防長、または登録講習機関である一般財団法人日本防火・防災協会が実施する「防災管理講習」を受講する必要があります。講習には効果測定試験が含まれます。また、知識や技能の維持を目的として、選任されている防災管理者は5年ごとの再講習受講が義務付けられています。
統括防災管理者
東日本大震災の教訓を踏まえ、平成26年4月より「統括防災管理者」の制度が導入されました。管理権原が分かれている大規模な建築物において、建物全体の防災管理を統括する責任者を選任し、消防機関へ届け出ることが義務付けられています。統括防災管理者は、建物全体を網羅する防災計画の作成や管理を行う重要な役割を担います。
よくある質問
防火管理者と防災管理者の違いは何ですか?
防火管理者は主に火災への対応を目的としていますが、防災管理者は地震やテロなど、火災以外の災害による被害軽減を目的としています。
防災管理者の再講習は誰が受ける必要がありますか?
防災管理者として実際に選任されている人物が、5年ごとに再講習を受講する義務を負います。
統括防災管理者はどのような建物で必要ですか?
管理権原が分かれている大規模な建築物で、延べ面積や階数などの要件を満たす場合に選任が義務付けられています。
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参考文献
- 東京消防庁「防火・防災管理再講習」
- 一般財団法人日本防火・防災協会「防災管理新規講習」
- 消防法(昭和23年法律第186号)