気象学

ブリューワー・ドブソン循環:成層圏の大気循環メカニズム

ブリューワー・ドブソン循環:成層圏の大気循環メカニズム
ブリューワー・ドブソン循環は、成層圏下部で起こる大規模な大気循環です。熱帯から極域へのオゾンや水蒸気の輸送メカニズムについて解説します。

📌 主なポイント

  • ブリューワー・ドブソン循環は、成層圏下部(高度10km〜30km付近)で発生する大規模な大気循環である。
  • 熱帯域の上昇流から中緯度・高緯度への輸送を行い、熱帯で生成されたオゾンを極域へ運ぶ役割がある。
  • アラン・ブリューワーが1949年に水蒸気の移動から、ゴードン・ドブソンが1956年にオゾンの移動からそれぞれ発見した。

ブリューワー・ドブソン循環(ブリューワー・ドブソンじゅんかん、英語: Brewer-Dobson circulation、略称: BD循環)とは、成層圏下部において発生する大規模な大気の大循環のことである。「成層圏循環」「成層圏子午面循環」「子午面循環」などとも称される。

年平均のブリューワー・ドブソン循環を示す図。左側に高度、下側に緯度(マイナスは南緯)が示され、色はオゾン濃度を表している。
年平均のブリューワー・ドブソン循環。左目盛りは高度、下目盛りは緯度(-は南緯)、色はオゾン濃度。

概要とメカニズム

この循環は、主に高度10キロメートルから30キロメートル付近の成層圏で起こっている。赤道付近の対流圏界面付近から上昇した空気が、南北両半球の中緯度帯に向かって流れるパターンが基本となっている。さらに、南北両極から中緯度に向かうもう1つの流れも存在している。

熱帯上空で生成されたオゾンなどの微量成分を極域へと輸送する重要な役割を担っていると考えられている。また、冬半球の極上空では下降流を、夏半球の極上空では上昇流をそれぞれ伴い、中層大気の冬半球向き循環と結びついている。

発見の歴史

本循環の概念は、科学者2名の研究によって見出された。アラン・ブリューワー(英語版)が1949年に水蒸気の移動パターンからその存在を提唱し、その後1956年にゴードン・ドブソンがオゾンの移動パターンに関する研究から発展させた。これら2人の名前の頭文字をとって「BD循環」とも通称されている。

よくある質問

ブリューワー・ドブソン循環とは何ですか?
成層圏下部(高度10km〜30km付近)で起こる大気の大規模な子午面循環のことです。BD循環とも呼ばれます。
誰がどのように発見しましたか?
1949年にアラン・ブリューワーが水蒸気の移動パターンから、1956年にゴードン・ドブソンがオゾンの移動パターンからそれぞれ発見しました。
どのような役割を持っていますか?
熱帯上空で生成されたオゾンなどの物質を極域へ輸送する働きを持っています。

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参考文献

ブリューワー・ドブソン循環(BD循環) / Chapter 6: Stratospheric Dynamics and the Transport of Ozone and Other Trace Gases