無機化学
臭素酸の化学的性質と安全性

臭素酸(HBrO3)の化学的性質、臭素酸塩の特性、および水道水や食品における安全性基準について解説します。
📌 主なポイント
- ✓臭素酸の化学式はHBrO3であり、臭素の酸化数は+5である。
- ✓臭素酸塩は消防法において危険物第1類(酸化性固体)に分類される。
- ✓水道水やミネラルウォーターにおける臭素酸の基準値は0.01 mg/L以下と定められている。
臭素酸(しゅうそさん、英: bromic acid)は、化学式 HBrO3 で表される臭素のオキソ酸の一種です。中心原子である臭素の酸化数は+5価であり、塩素酸(HClO3)と類似した化学的性質を示します。

化学的性質
臭素酸は遊離酸として単離することが困難な物質です。一般的には、臭素酸アルミニウムなどの塩の水溶液に希硫酸を作用させることで生成されます。塩素酸と同様に強力な酸化作用を持つことが特徴です。
臭素酸塩
臭素酸から誘導される塩は「臭素酸塩」と呼ばれ、多くが酸化性固体として扱われます。日本では消防法上の危険物第1類(酸化性固体)に分類されています。主な臭素酸塩には以下のものがあります。
- 臭素酸カリウム (KBrO3)
- 臭素酸ナトリウム (NaBrO3)
- 臭素酸アンモニウム (NH4BrO3)
- 臭素酸アルミニウム (Al(BrO3)3)

安全性と規制
臭素酸およびその塩には発がん性が認められており、公衆衛生上の観点から厳格な規制が設けられています。特に水道水やミネラルウォーター類においては、殺菌工程などで副生成物として生じる可能性があるため、成分規格が定められています。厚生労働省の基準では、水道水等における臭素酸の濃度は 0.01 mg/L 以下と規定されています。
よくある質問
臭素酸と臭化水素酸は同じものですか?
いいえ、異なります。臭素酸(HBrO3)は臭素のオキソ酸ですが、臭化水素酸は臭化水素(HBr)の水溶液であり、性質が大きく異なります。
なぜ水道水で臭素酸が規制されているのですか?
臭素酸には発がん性が認められているためです。オゾン処理などを用いた浄水処理の過程で副生成物として発生する可能性があるため、厳格な濃度基準が設けられています。
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参考文献
- 厚生労働省「清涼飲料水等に係る規格基準の一部改正について」(2018年9月7日)
- 食品安全委員会「第261回食品安全委員会 臭素酸」(2008年11月6日)