色彩

茶色(色)の概要と特性

茶色(色)の概要と特性
茶色の定義、色彩学的な位置付け、歴史的背景、および顔料としての特性について解説します。

📌 主なポイント

  • 茶色は光を反射する物体色としてのみ存在し、光源色としては知覚されない。
  • 日本語の「茶色」は、茶の葉の煎じ汁を染料として使用したことに由来する。
  • 天然の土壌顔料(アースピグメント)として、シェンナやアンバーなどが古くから利用されている。

茶色(ちゃいろ)は、栗の実の色や土の色に例えられる色の一つであり、オレンジ色と黒、あるいは青の中間的な色味を持つ色です。日本語では「褐色(かっしょく)」や「栗色(くりいろ)」とも呼ばれ、文脈に応じて使い分けられます。

茶色と呼びうる色合いの茶
茶色と呼びうる色合いの茶。左から緑茶、茎茶、烏龍茶、紅茶。

色彩学的な位置付け

茶色は、光を反射する「物体色」として知覚される色であり、光源色(光そのものの色)としては存在しません。光源色において茶色に相当する波長域は、一般的に黄色や橙色として認識されます。色彩工学の観点では、明度や彩度を調整することで多様な色合いが表現可能です。

歴史と名称の由来

日本語における「茶色」という名称は、室町時代以降、茶の葉の煎じ汁を染料として用いたことに由来します。江戸時代には茶染めの衣服が広く普及し、色名として定着しました。歴史的には「鶯茶」や「青茶」のように、現代の感覚では緑がかった色味に対しても「茶」の字が使われることがありました。

一方、「褐色」という言葉は、本来は麻や葛などの繊維でできた粗末な衣服の土汚れのような色を指す言葉でした。現在では、コーヒーの色や日焼けした肌の色など、より広範な色調を指す表現として用いられます。

顔料としての茶色

茶色の顔料は、古くから天然の土壌から採取される「アースピグメント(土壌顔料)」が利用されてきました。代表的なものにシェンナやアンバーがあります。かつてはイカの墨から作られたセピアも用いられていましたが、現代では合成品が主流となっています。

ウェブカラーにおける定義

ウェブカラーにおいて「brown」と指定した場合、一般的に赤と黒の中間色である#A52A2Aが定義されます。ただし、ブラウザ環境によって表示が異なる可能性があるため、より安定した色指定が必要な場合は、基本16色の1つである「maroon(マルーン)」などが利用されることがあります。

よくある質問

茶色と褐色に違いはありますか?
一般的には同義として扱われますが、日本産業規格(JIS)の物体色名では、茶色と褐色は異なる色として定義されています。
茶色は光源色として存在しますか?
いいえ、茶色は物体色としてのみ存在します。光源色として見た場合、茶色は黄色や橙色として知覚されます。
ウェブカラーのbrownはどのような色ですか?
ウェブカラーのbrownは、16進数表記で#A52A2Aと定義されており、赤と黒の中間的な赤茶色を指します。

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顔料色彩工学日本の色の一覧

参考文献

  • 篠田博之・藤枝一郎『色彩工学入門 定量的な色の理解と活用』森北出版株式会社、2007年、17-18頁。
  • 鶴田榮一「顔料の歴史」『色材協会誌』第75巻、第4号、色材協会、2002年4月。
  • World Wide Web Consortium, "CSS Color Module Level 3", 2022年1月18日。