建築材料の概要と歴史的変遷

📌 主なポイント
- ✓建築材料(建材)とは、建築物を建てるために使用されるあらゆる材料の総称である。
- ✓分類方法には機能による分類、部位による分類、素材の種類による分類がある。
- ✓古代ローマでは、水中硬化性を持つローマンコンクリートが開発され利用された。
建築材料(けんちくざいりょう、英: building material)とは、建築物を建てるために使用されるあらゆる材料の総称であり、短縮して「建材(けんざい)」とも呼ばれる。
通常、建築施工の場に提供されるセメント、砂利、ガラス、煉瓦などを指すが、広義にはサンドイッチパネルやプレキャストコンクリート板、プレハブ部材などの加工品も含まれる。配管や遮光・防音・免震設備を含めるかどうかについては、文脈によって定義の揺らぎが見られる。
分類
建築材料の分類法には、主に「機能による分類」「部位による分類」「素材の種類による分類」の3つのアプローチが存在する。
機能による分類
- 構造材: 構造躯体に用いる材料。西洋の伝統的建築における壁やアーチ、東洋の伝統的木造建築や近年の木造住宅における柱や梁などが該当する。
- 外装材: 建築物を雨風から保護し、外観を整える材料。屋根材(瓦、スレート)や外壁材(タイル、レンガ、サイディングボード)が含まれる。
- 内装材: 内部の空間を構成する材料。
- 補助材料: 構造材や仕上げ材以外の塗料や接着剤などの総称。
なお、コンクリートのように主に構造材でありながら外装材として利用される例や、元来は構造材であった煉瓦が装飾的な仕上げ材として使われるようになるなど、単一の材料が複数の用途を担うことも多い。
部位による分類
建築物の適用部位に基づき、屋根材、壁材、床材、建具(ドアや窓などの開口部を塞ぐ仕組み)などに区分される。
素材の種類による分類
- 石材: 大理石、花崗岩、安山岩、砂岩、粘板岩などのほか、人造石など。
- 土・コンクリート類: 日干しレンガ、モルタル、コンクリート、石膏ボードなど。
- 粘土焼成品: 煉瓦、瓦、タイルなど。
- 木材・植物繊維: 丸条・製材製品・集成材・合板のほか、わら、萱、イグサ、麻など。
- 金属材: 鉄筋や形鋼などの鉄鋼材と、銅・アルミなどの非鉄金属材。
- ガラス材: 窓用ガラス板やガラスブロックなど。
- 高分子材料: プラスチック、ゴム、合成繊維、人工大理石、アスファルト、塗料、接着剤など。
歴史的変遷

建築材料の選択と利用技術は、時代や地域の気候風土、技術革新とともに発展してきた。
古代から中世にかけての発展
古代メソポタミアでは、乾燥地帯において木枠と泥を用いた「日干しレンガ(mud brick)」が広く活用された。古代ギリシアでは、石材、木材、陶製材料が用いられ、パルテノン神殿の柱にはペンテリコ産の大理石が、屋根には木材と瓦が使用された。

古代ローマ帝国においては、石灰岩や木材のほか、多様な配合のセメントやモルタル(ローマンコンクリート)が開発された。水中硬化性のセメントも実用化され、フォロロマーノなどの歴史的建造物にその痕跡を残している。

中世ヨーロッパでは石造りの壁が主流となり、石工ギルドが発達したほか、教会堂の窓にはステンドグラスが取り入れられた。

日本における伝統的建材
日本列島では、縄文時代から平安時代後葉にかけて竪穴建物が広く用いられ、丸太の構造材と土や葦などの植物性素材が多用された。飛鳥時代以降は大陸の影響を受けて石材や木材の利用が進み、のちに唐紙や障子といった紙を内装材に多用する独自の文化が形成された。
原材料と用途の例
| 材料名 | 原材料名 | 特徴 | 用途 |
|---|---|---|---|
| アルミニウム | アルミニウム | 軽い、耐食性があり、加工が容易 | 建具(サッシ等) |
| 石膏ボード | 硫酸カルシウム | 耐火性、環境性、リサイクル可能 | 内装材(床、壁、天井) |
| タイル(磁器) | 磁器 | 吸水性が極小、耐候性、耐久性 | 外装材、内装材(床、浴室等) |
| モルタル | 砂、セメント、水 | ペースト状、伸縮性 | 仕上げ材、躯体調整、目地材 |
よくある質問
建築材料の主な分類方法は何ですか?
日干しレンガとはどのようなものですか?
古代ローマの建築で特徴的な建材は何ですか?
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参考文献
三橋博三、他著『建築材料学』初版1刷発行、共立出版、2007年4月15日。ISBN 978-4-320-07695-2。
世界大百科事典 第2版「建築材料」。