芸術と学問
文学の概念と歴史的変遷

言語によって表現される芸術としての文学の概念、歴史的発達、形式の分類について、検証可能な事実に基づき詳しく解説する百科事典記事。
📌 主なポイント
- ✓文学は、言語によって表現された審美的な芸術作品の総称である。
- ✓西洋における「literature」などの語は、ラテン語の「littera(文字)」を語源としている。
- ✓近代以前の中国や日本における「文学」は、書物による学芸全般を広く指していた。
- ✓原初的な文学は口頭伝承による口承文芸であったが、印刷技術の普及や電子メディアの発達に伴い媒体を多様化させてきた。
文学(ぶんがく、英語: literature)または文芸(ぶんげい)とは、言語によって表現された芸術の総称である。また、それを研究する学問分野を指すこともある。
定義と概念
文学は、言語(口頭または文字)によるコミュニケーションのうち、言語の表現力を活用して受け手への影響を高めようとするものとして捉えられる。実用的な情報の伝達を主目的とするコミュニケーションとは異なり、審美的な機能や形式によって特徴づけられる点が大きな特徴である。
歴史的に見ると、審美的な志向性を持つ作品の集合という現在の「文学」の定義は近代以降に形成されたものである。古代ギリシアにおいてアリストテレスが『詩学』などで論じたように、かつては特定の形式的規則に適合する作品が文学や芸術として認められる傾向にあった。中国や日本においても、「文学」という語は本来、書物による学芸全般を意味していたが、近代に入り西洋の「literature」の訳語として当てられることで、現在のような言葉による審美的な創作を意味するようになった。
形式の分類
文学作品は、その表現形式やメディアによって多様なジャンルに分類される。
- 詩(韻文):定型詩(和歌、短歌、俳句、漢詩など)や自由詩、散文詩など。
- 小説(フィクション):物語性を重視した散文形式の創作。
- 戯曲・脚本:演劇や映像作品のための台本。
- 随筆・ノンフィクション:エッセイ、紀行、日記、伝記、文芸評論など。
メディアの変遷
原初的な文学は、文字を持たない時代における口承文芸(口伝による詩歌や民謡など)であった。その後、写本による書物の流通を経て、印刷技術の普及に伴い活字印刷による出版が主流となった。現代においては、電子書籍やインターネットなどの電子メディア上で表現・流通される作品も重要な位置を占めている。
よくある質問
文学の主な形式にはどのようなものがありますか?
詩、小説、戯曲・脚本、随筆(エッセイ)、評論、ノンフィクションなどが含まれます。
「文学」という言葉が現在の審美的な創作を意味するようになったのはいつですか?
西洋の「literature」や「littérature」の訳語として「文学」という言葉が当てられ定着した明治時代以降です。
原初的な文学はどのように伝えられていましたか?
文字が普及する以前は、口頭による伝承(口承文芸)として民謡や物語などが伝えられていました。
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参考文献
李征「中国・日本の近代における『文学』という翻訳語の成立 ―清末上海滞在のイギリス人宣教師エドキンスによる『希臘為西国文学之祖』の執筆をめぐって」『比較文学』第40巻、1998年、7-20頁。蔡祝青 (2012). “文學觀念流通的現代化進程:以近代英華/華英辭典編纂literature詞條為中心”. 東亞觀念史集刊 3: 309-317.