電気工学
キャブタイヤケーブルの概要と構造

移動可能な電気機器に使用されるキャブタイヤケーブルの構造、素材、用途について解説します。ゴム系やビニール系などの種類や特徴を網羅。
📌 主なポイント
- ✓キャブタイヤケーブルは、通電状態での移動が可能な柔軟性を持つ電線である。
- ✓名称は辻馬車のタイヤのように丈夫なゴム被覆に由来する。
- ✓素材によりゴム系とビニール系に大別され、用途に応じて使い分けられる。
- ✓300V以下のものはキャブタイヤコードと呼ばれる。
キャブタイヤケーブル(Cabtyre cable)は、主に作業現場や工場などで、通電状態のまま移動させることが可能な柔軟性の高い電線です。その名称は、かつての辻馬車(キャブ)のタイヤのように丈夫なゴムで被覆されていることに由来するとされています。

構造
キャブタイヤケーブルは、導体、絶縁体、およびそれらを保護するシース(外装)で構成されています。使用される素材や芯数によって許容電流や柔軟性、強度が異なり、用途に応じて適切な仕様が選択されます。シースは英語の「sheath(覆う)」に由来しており、ケーブルの保護において重要な役割を果たします。
種別と素材
キャブタイヤケーブルは、主に絶縁体やシースの素材によってゴム系とビニール系に大別されます。
ゴム系
ゴム系キャブタイヤケーブルは、優れた柔軟性と耐久性を持ち、CT、RNCT、PNCTなどの種類が存在します。これらは主に低圧用の動力用や制御用として、屋内だけでなく屋外の作業現場でも広く使用されています。
ビニール系
ビニール系はVCTやVCTFに分類されます。ゴム系と比較して耐水性などに優れており、主に工場の自動化設備(FA機器)の配線などに用いられます。また、柔軟性や耐ノイズ性を高めたロボットケーブルなどの特殊なグレードも存在します。なお、300V以下のものは「キャブタイヤコード」と呼ばれます。
環境への配慮
近年では地球環境に配慮した「エコキャブタイヤケーブル」も普及しています。これらは名称の先頭に「EM-」を冠することで従来のケーブルと区別され、電気特性や寸法を維持しつつ、環境負荷の低減を図っています。
よくある質問
キャブタイヤケーブルの語源は何ですか?
辻馬車(キャブ)のタイヤのように、丈夫なゴムで被覆されていることに由来するとされています。
ゴム系とビニール系の主な違いは何ですか?
ゴム系は柔軟性と耐久性に優れ、屋外を含む作業現場に適しています。一方、ビニール系は耐水性などに優れ、主に工場内の自動化設備などで使用されます。
エコキャブタイヤケーブルとは何ですか?
環境負荷を低減したケーブルで、名称の頭に「EM-」を冠します。従来のケーブルと同等の電気特性を維持しています。
関連記事
電線電気設備日本工業規格ファクトリーオートメーション
参考文献
- 電線総合技術センター「表1 電線・ケーブル関係の記号・規格・基準」
- Yahoo!大辞林「キャブタイヤ‐ケーブル」
- 関東電気保安協会「電気の豆知識:キャブタイヤコード」
- 日本電線工業会「EM:エコマテリアル(Eco-Material)の略」