物理学・単位

カンデラ:国際単位系(SI)における光度の基本単位

カンデラ:国際単位系(SI)における光度の基本単位
国際単位系(SI)の光度単位であるカンデラ(cd)の定義、歴史、比視感度との関係、および測定の仕組みについて詳しく解説します。

📌 主なポイント

  • カンデラ(記号: cd)は国際単位系(SI)における光度の基本単位である。
  • 名称の由来はラテン語の「獣脂蝋燭」であり、キャンドルなどと同一語源を持つ。
  • 定義では、周波数540×1012 Hzの単色光を放射する光源の放射強度を基準としている。

カンデラ(羅: candela、記号: cd)は、国際単位系(SI)における光度の単位であり、SI基本単位の一つである。

光度とは、点状の光源から特定の方向へ放射される単位立体角あたりの光の明るさである。光度は放射強度に似ているが、光源のスペクトル中の全ての波長の寄与を単純に合計するのではなく、それぞれの波長について標準的な比視感度(異なる波長に対する人間の目の感度のモデル)によって重みづけを行って算出される。

カンデラに関する概念図
カンデラに関する概念図

定義と仕組み

現在のカンデラは、周波数540×1012 Hzの単色光を放射する光源の放射強度に基づき定義されている。この周波数は緑色に近い可視光であり、波長でおよそ555 nmに相当する。明所視において人間の目が最も強い感度を示す領域である。

明所視と暗所視の比視感度曲線
明所視(黒)と暗所視(緑)の比視感度曲線。横軸はナノメートル(nm)単位の波長を表す。

特定の波長における光度は、以下の関係式を用いて求められる。

光度の計算式
光度の計算式
標準比視感度の関数
標準比視感度の関数を表す記号

ここで用いられる標準比視感度は国際照明委員会(CIE)の協定に基づくものが採用されており、日本では計量単位規則等の法令によって定められている。

歴史的背景

1948年以前は、国や地域ごとに異なる「標準蝋燭」や白熱電灯の明るさが光度の基準として用いられていた。イギリスでは純粋な鯨油蝋燭の明るさに基づく燭(candlepower)が使われ、ドイツなどではヘフナー灯の光度に基づくヘフナー燭が利用されていた。

国際的な統一を図るため、1937年に国際照明委員会(CIE)が「ブージ・ヌーベル(新燭)」を採択し、1948年の第9回国際度量衡総会(CGPM)でこれが承認されるとともに、「カンデラ」という名称が与えられた。その後、技術の進歩や測定精度の向上に伴い、1967年、1979年、そして2019年の再定義などを経て、現在の物理定数に基礎を置く定義へと改められている。

光度の測定例

一般的な蝋燭の炎はおよそ1カンデラの光度を持つ。実用的な照明器具においては、蛍光灯やLED、自動車の前照灯、さらには航路標識としての灯台に至るまで、さまざまな場面で光度の数値が規定・測定されている。

よくある質問

カンデラとは何を表す単位ですか?
国際単位系(SI)における光度の単位であり、点状の光源から特定の方向へ放射される単位立体角あたりの光の明るさを表します。
カンデラという名前の由来は何ですか?
ラテン語で「獣脂蝋燭」を意味する「candela」に由来しており、キャンドルやカンテラと共通の語源を持っています。
一般的な蝋燭の光度はどのくらいですか?
一般的な蝋燭は約1カンデラの光度で光を発するとされています。

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参考文献

  • 国際単位系(SI)第 9 版(2019) p.103、産業技術総合研究所、計量標準総合センター、2020年3月。
  • 16th CGPM Resolution 3, CR, 100 (1979), and Metrologia, 16, 56 (1980).
  • 計量単位令別表第一第7号。