化学

触媒の化学的性質と応用

触媒の化学的性質と応用
化学反応の速度を制御する触媒の仕組み、種類、および工業や生体における重要な役割について解説します。

📌 主なポイント

  • 触媒は反応速度を速めるが、化学平衡は変えない。
  • 反応中間体を形成し、活性化エネルギーを低下させる。
  • 均一系触媒と不均一系触媒に大別される。
  • 生体内の触媒は酵素と呼ばれる。

触媒(catalyst)とは、化学反応において反応物よりも少量で存在し、反応の前後で自身は変化することなく、特定の化学反応の速度を速める物質を指します。化学反応の進行方向(化学平衡)そのものを変えることはありませんが、反応に必要な活性化エネルギーを低下させることで、より穏和な条件での反応を可能にします。

反応の仕組み

触媒は反応物と反応中間体を形成し、より低い活性化エネルギーで進行する別の反応経路を提供します。これにより、触媒が存在しない場合と比較して反応速度が著しく向上します。自発的に進行する反応(自由エネルギー変化ΔG < 0)に対してのみ有効であり、自発的に起こり得ない反応を進行させることはできません。

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よくある質問

触媒は反応後に消費されますか?
いいえ、触媒は反応の前後で自身は変化せず、消費されることはありません。
負触媒とは何ですか?
かつて反応を遅らせる物質を負触媒と呼びましたが、現在では一般的に阻害剤(inhibitor)と呼ばれます。
触媒毒とは何ですか?
触媒の活性サイトに吸着・配位し、触媒の効果を著しく弱める物質のことです。

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参考文献

IUPAC (2012). Compendium of Chemical Terminology (the Gold Book). Blackwell Scientific Publications. 田中一範『あなたと私の触媒学』裳華房、2000年。