CATOBAR方式:航空母艦におけるカタパルトとアレスティング・ギアによる発着艦技術

📌 主なポイント
- ✓CATOBARは、航空母艦における発艦にカタパルト、着艦にアレスティング・ギアを使用する方式である。
- ✓大重量のCTOL機を限られた甲板上で運用するために不可欠なシステムである。
- ✓海上だけでなく、過去にはベトナム戦争時のチュライ飛行場など陸上の前線飛行場において一時的にカタパルトやアレスティング・ギアが運用された事例がある。
CATOBAR(Catapult Assisted Take Off But Arrested Recovery、あるいはCatapult Assisted Take-Off Barrier Arrested Recovery)とは、航空母艦(空母)において航空機(艦上機)を発着艦させる方式の一つである。発艦時にはカタパルト(射出機)を使用し、着艦時にはアレスティング・ギア(制動索装置)を使用する仕組みを指す。

概要と基本原理
ジェット戦闘機のように大重量の通常離着艦機(CTOL機)を限られた長さの飛行甲板を持つ空母で運用する場合、自力での離陸や着艦には限界が生じる。そのため、発艦と着艦の双方において外部からの補助が必要となる。
発艦の際は、甲板上に設置されたカタパルトによって機体を力強く押し出し、短距離で離陸速度に到達させる。一方、着艦の際には、機体に装備されたアレスティング・フックを甲板上のアレスティング・ワイヤーに引っ掛けることで急制動をかけ、安全に停止させる。この発艦・着艦の組み合わせがCATOBAR方式の本質である。
関連する発着艦方式との違い
航空母艦の離着艦方式には、CATOBARのほかにいくつかの方式が存在する。例えば、発艦装置としてカタパルトの代わりにスキージャンプ勾配を使用し、着艦には同様にアレスティング・ギアを用いる方式はSTOBARと称される。


陸上における運用例
CATOBAR方式に関連する技術や装置は、必ずしも海上を航行する航空母艦の艦上だけに限定されるものではない。事故などの非常時や、急造された滑走路長の短い飛行場においては、地上であってもアレスティング・ギアを用いた着陸が行われることがある。
歴史的な事例として、アメリカ海兵隊は短時間で移設可能な移動式のアレスティング・ギアであるMOREST(Mobile arresting gear)を装備化していた。ベトナム戦争時には、前線近くにSATO(Short Airfield for Tactical Support)と呼ばれる簡易飛行場を設営し、作戦機をMORESTによって着陸させ、JATO(ロケット補助推進離陸)により離陸させる運用が構想された。その中の一つであるチュライ飛行場では、のちに舗装滑走路が完成するまでの間、地上でありながらカタパルトが設置されてカタパルト発進運用が行われたこともある。

