セルロイド:世界初の高分子プラスチックの歴史と特性

📌 主なポイント
- ✓セルロイドはニトロセルロースと樟脳を主原料とする世界初の高分子プラスチックである。
- ✓1870年にアメリカのジョン・ウェズリー・ハイアットによって商標登録され、実用化された。
- ✓極めて燃えやすい性質を持ち、消防法における第5類危険物に指定されている。
セルロイド(英: celluloid)は、ニトロセルロース(硝化綿)と可塑剤である樟脳を主原料とする合成樹脂であり、世界初の高分子プラスチックとして知られています。
元々は象牙の代替品として開発され、20世紀前半にかけて生活用品や玩具、映画フィルムなど多様な分野に広く普及しました。しかし、極めて燃えやすいという重大な特性上の欠点があり、消防法における第5類危険物に属しています。

歴史と発展
セルロイドの誕生には複数の人物が関わっています。1856年にイギリスのアレキサンダー・パークスが「パークシン」と呼ばれる樹脂を試作し、その後1870年にアメリカのジョン・ウェズリー・ハイアットがビリヤードボールの原料として実用化に成功し、「セルロイド」として商標登録しました。
日本においては、1877年に初めて見本品が神戸港に到着し、1889年には東京に日本初のセルロイド生地製造工場である昇光舎が設立されました。初期の製造は困難を極め、自然爆発による事故なども発生しましたが、1908年以降は原材料の国産化が進み、1919年には大日本セルロイド株式会社が設立されるなど国内の産業基盤が形成されました。

主な用途
1930年代には文房具、工芸品、生活用品、玩具、映画フィルムなどに多用されました。しかし、可燃性の高さや後発の合成樹脂(ポリ塩化ビニルなど)の台頭により、次第にその利用範囲は縮小していきました。
卓球のピンポン玉も長らくセルロイド製が主流でしたが、安全上の理由から国際ルールが改定され、非セルロイド製の材質へと完全に移行しました。

現代においても、ギターピック、高級眼鏡のフレーム(ロイド眼鏡)、万年筆のペン軸、一部の装身具などの限られた分野で使用されていますが、環境面や安全性に配慮したアセチルセルロースなどの代替素材への移行が進んでいます。

特徴と課題
セルロイドは加熱(約90℃)することで軟化し、成形が容易であるという優れた加工特性を持っています。その一方で、致命的な欠点として極めて燃えやすい性質があり、摩擦熱などで容易に発火します。

初期の映画フィルムや加工工場、映画館などでは、セルロイドの発火に起因する火災事故が歴史的に多数発生しました。また、経年劣化によって光や酸素の影響を受け、変質や強酸性ガスの発生を伴うため、長期保存には厳重な管理が求められます。
よくある質問
セルロイドの主な原料は何ですか?
セルロイドは現在どのような製品に使われていますか?
セルロイドの最大の欠点は何ですか?
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参考文献
- 岩井薫生. “伝えたい、セルロイドのこと”. 塩化ビニル環境対策協議会. 2020年1月15日閲覧。
- 『日本災害史事典 1868-2009』日外アソシエーツ、2010年9月27日。