航空工学
CFMインターナショナル CFM56:航空機用ターボファンエンジンの歴史と技術

CFMインターナショナルが開発した高バイパスターボファンエンジン「CFM56」の歴史、技術的背景、および主要な搭載機について解説します。
📌 主なポイント
- ✓CFM56は、ゼネラル・エレクトリックとスネクマの50:50の合弁会社であるCFMインターナショナルによって生産されている。
- ✓1974年に最初の運転が行われ、その後2万基以上のエンジンが製造された。
- ✓ボーイング737シリーズやエアバスA320ファミリーなど、世界中の主要な旅客機に搭載されている。
- ✓アメリカ軍ではKC-135R空中給油機向けに「F108」の名称で採用されている。
CFM56は、フランスのスネクマ(現サフラン・エアクラフト・エンジンズ)とアメリカのゼネラル・エレクトリック(GE)が50%ずつ出資して設立した合弁会社、CFMインターナショナルによって開発・製造された高バイパスターボファンエンジンシリーズです。1974年に初運転が行われて以来、民間航空機および軍用機において世界で最も広く普及したエンジンの一つとなりました。
開発の背景と歴史
1960年代後半、スネクマは民間航空機市場への本格参入を目指し、推力10トン級の高バイパスターボファンエンジンの開発を計画しました。当時、GEは軍用エンジンであるF101の技術を有しており、両社の利害が一致したことで合弁事業が成立しました。1974年の設立当初、アメリカ政府による核心技術の輸出制限という政治的な障壁がありましたが、ニクソン大統領とポンピドゥー大統領による首脳会談を経て、技術輸出の承認と合弁事業の本格的な始動が実現しました。
技術的特徴と分担
CFM56は、GEの先進的な高圧タービン・高圧圧縮機・燃焼器技術と、スネクマのファン・低圧タービン・ギアボックス設計を融合させています。最終組み立ては、アメリカのオハイオ州エバンダルにあるGEの工場と、フランスのヴィラロッシュにあるスネクマの工場の両方で行われます。この分業体制は、両社の強みを最大限に活かすとともに、国際的な市場展開を支える基盤となりました。
主要な派生型と採用機
CFM56シリーズは、短距離から長距離まで幅広い航空機に採用されています。
- CFM56-2シリーズ:初期型であり、ダグラス DC-8のエンジン換装や、アメリカ空軍のKC-135R空中給油機(軍用名称:F108)に採用されました。
- CFM56-3シリーズ:ボーイング737-300/-400/-500向けに開発され、同機の成功を支える主要な動力源となりました。
- CFM56-5シリーズ:エアバスA320ファミリーやA340向けに開発され、電子制御システムであるFADECを導入したことが大きな特徴です。
運用実績
CFM56は、高い信頼性と経済性から、世界中の航空会社で長年にわたり運用されています。2010年1月時点で、累計飛行時間は4億7,000万時間以上に達しており、民間航空史において最も成功したエンジンプログラムの一つとして位置付けられています。
よくある質問
CFM56はどの会社が製造していますか?
アメリカのゼネラル・エレクトリック(GE)とフランスのスネクマ(現サフラン・エアクラフト・エンジンズ)の合弁会社であるCFMインターナショナルが製造しています。
CFM56の主な搭載機は何ですか?
ボーイング737(クラシックおよびNext Generation)、エアバスA320ファミリー、エアバスA340、ダグラス DC-8(スーパー70シリーズ)、およびアメリカ空軍のKC-135Rなどが挙げられます。
CFM56の軍用名称は何ですか?
アメリカ軍では、KC-135R空中給油機に搭載されているモデルが「F108」という識別符号で呼ばれています。
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参考文献
- Bilien, J. and Matta, R. (1989). The CFM56 Venture. AIAA/AHS/ASEE Aircraft Design, Systems, and Operations Conference.
- Norris, Guy (1999). CFM56: Engine of Change. Flight International.
- National Security Decision Memorandum 189 (1972).
- CFM International Website, Fleet Statistics.