気象学

着氷性の霧の気象学的特徴と影響

着氷性の霧の気象学的特徴と影響
地表近くの空気中に過冷却の水滴が浮遊する気象現象「着氷性の霧」の特徴、樹氷や粗氷の形成、航空気象における影響について解説します。

📌 主なポイント

  • 着氷性の霧は、地表近くに過冷却の水滴が浮遊する気象現象である。
  • 気温0℃以下で発生し、物体の表面に付着して凍結することで樹氷や粗氷を作り出す。
  • 航空気象においては、気温0℃以下の霧をすべて着氷性の霧(FZFG)として報告する。

着氷性の霧(ちゃくひょうせいのきり、freezing fog)とは、地表近くの空気中に微小な過冷却の水滴が浮遊する気象現象であり、霧の一種である。過冷却霧とも呼ばれる。

気温が0℃以下において発生し、水滴が物体の表面に付着した際に凍結して氷になる特性を持つ。

形成される付着氷

過冷却の霧は、主に樹氷や粗氷といった付着氷を形成する原因となる。

樹氷

水滴が非常に小さい場合、樹氷(soft rime)が形成される。粒状の氷が柱状、針状、あるいは層状に積もったものであり、霜に似たやわらかく崩れやすい性質を持つ。外観は白色不透明である。

着氷性の霧と樹氷の様子
着氷性の霧と樹氷

粗氷

水滴がやや小さい場合、粗氷(hard rime)が形成される。樹氷よりも大きな粒状の氷が層状に積もったものであり、樹氷に比べて頑丈であるものの、手で崩せる程度の硬さを持つ。白色で、近づいて見ると半透明や透明に見える。

低温時の特徴

気温が-10℃以下になると、霧の中に氷晶が含まれるようになり、細氷のような大気光学現象を引き起こすことがある。

航空気象における重要性

着氷性の霧は、航空機の運行において着氷を引き起こす重大な要因のひとつである。航空気象の分野では、気温0℃以下における霧をすべて「着氷性の霧」として報告し、METAR報などの符号では「FZFG」として扱われる。

着氷性の霧の中を飛行して氷が付着したジェットエンジン CFM-56 の前部
着氷性の霧の中を飛行して氷が付着したジェットエンジン CFM-56 の前部

よくある質問

着氷性の霧とはどのような現象ですか?
地表近くの空気中に微小な過冷却の水滴が浮遊している霧のことで、気温0℃以下の環境で物体の表面に付着して凍結し氷になります。
樹氷と粗氷の違いは何ですか?
水滴が非常に小さく、やわらかく崩れやすい白色不透明な氷を樹氷と呼びます。一方、水滴がやや小さく、樹氷より大きめの粒状の氷が層状に積もったやや頑丈なものを粗氷と呼びます。
航空気象ではどのように扱われますか?
気温0℃以下の霧はすべて着氷性の霧(FZFG)として報告され、航空機への着氷を引き起こす危険な気象要素として扱われます。

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参考文献

世界大百科事典 第2版「過冷却霧」, 気象庁『気象観測の手引き』, 世界気象機関 International Cloud Atlas (2017), アメリカ気象学会 Glossary of Meteorology (2017)