航空機の着陸復行と進入復行の仕組み

📌 主なポイント
- ✓着陸復行(ゴーアラウンド)とは、航空機が着陸またはその進入の継続を断念し上昇体制に移ることである。
- ✓海軍航空隊などではウェーブ・オフ(Wave off)と呼ばれることもある。
- ✓計器飛行方式における進入復行はミストアプローチとも呼ばれ、定められた方式に従って飛行する。
着陸復行(ちゃくりくふっこう)とは、有視界飛行方式(VFR)や計器飛行方式(IFR)を問わず、航空機が着陸またはそのための進入の継続を断念し、上昇体制に移行することを指す。英語では一般にゴーアラウンド(Go-around)と呼ばれる。

海軍航空隊などでは、ゴーアラウンドではなくウェーブ・オフ(Wave off)と呼称されることもある。また、接地点が滑走路の奥になりすぎて再上昇した場合は、タッチアンドゴーではなく着陸復行として扱われる。
実施される主な状況
着陸復行や進入復行は、パイロット自身の判断で行う場合と、管制官の指示によって行われる場合がある。具体的な状況としては以下のようなものが挙げられる。
- 一定の高度(ディシジョン・ハイト)まで降下しても、視界不良により滑走路が視認できない場合。
- 背風(テイルウインド)や強い横風(クロスウインド)などにより、安全な着陸が見込めないと判断した場合。
- 滑走路上に障害物や他の航空機が存在し、あるいは先行機との十分な管制間隔を確保できない場合。

なお、空母への着艦においては、パイロットではなく飛行甲板上の着艦信号士官(LSO)の判断が大きく関与する。光学着艦装置の着艦復行ライトが点滅した場合、即座に復行しなければならない。また、アレスティング・ワイヤーにフックが引っかからなかった場合(ボルター)にも自己判断で着艦復行が行われる。

進入復行(ミストアプローチ)
進入復行(しんにゅうふっこう)とは、計器飛行方式で進入中の航空機がその継続を断念し、公示または事前通報された進入復行方式に従って飛行する方法である。英語ではミストアプローチ(Missed-Approach)とも呼ばれる。
進入復行経路は計器進入方式ごとに個別に定められており、通常は無線標識上空などでの旋回待機(ホールド)で終了する。再び着陸のための進入を行うには、改めて管制官からの進入許可が必要となる。
技術と操作
近年の旅客機では、オートスロットルなどを利用して上昇可能な推力まで自動で加速する機能が備わっており、TO/GAスイッチ(Takeoff/Go-around switch)を押すことで自動的に着陸復行モードへ移行する機種が多い。一方で、操作ミスや誤ったスイッチの作動が原因となった事例も報告されている。

また、着陸復行を決定すべき限界高度が存在するため、対地接近警報装置には音声などで注意を促す機能が搭載されている。