言語学
朝鮮半島の言語における歴史と特徴の概要

朝鮮半島で使用されている朝鮮語(韓国語)の言語学的特徴、系統、方言および名称に関する歴史的背景を解説する事典記事。
📌 主なポイント
- ✓朝鮮語は、大韓民国および朝鮮民主主義人民共和国の国語・公用語である。
- ✓言語類型論において、日本語と同様に膠着語であり、基本語順はSOV型である。
- ✓韓国では「標準語」、北朝鮮では「文化語」がそれぞれ標準変種として規定されている。
朝鮮語(ちょうせんご、朝鮮語: 조선어、韓国語: 한국어)は、主に朝鮮半島で使用されている言語であり、大韓民国および朝鮮民主主義人民共和国の公用語である。日本語の言語学や音韻論などの学術分野においては、伝統的に「朝鮮語」という名称が用いられてきた。
言語の名称をめぐる背景
日本国内においては、従来「朝鮮語」という呼称が広く使われてきたが、南北の分裂や韓国との交流の進展に伴い、2000年代以降は「韓国語」という呼称も頻繁に使用されるようになっている。一方、韓国では「한국어(ハングゴ)」、北朝鮮では「조선어(チョソノ)」や「조선말(チョソンマル)」と呼ばれており、中国や中央アジアなどの地域的背景や外交方針によっても呼称の選択に違いが見られる。
言語系統と類型論的特徴
言語類型論の観点から、朝鮮語は日本語と同様に膠着語に分類され、基本語順がSOV型であることや、修飾語が被修飾語に先行するといった共通点を持つ。しかし、アルタイ諸語との系統的なつながりや日本語との同系統説については議論が続いており、確定的には証明されていない。音韻面では、子音に有気音と無気音の対立が存在し、子音で終わる閉音節が多く見られる点が特徴である。
標準語と方言の区分
韓国と北朝鮮ではそれぞれ独自の標準変種が規定されている。韓国ではソウルの教養ある人々が使用する言語を基礎とした「標準語」が採用されており、北朝鮮では平壌の言葉を基盤とした「文化語」が定められている。ただし、北朝鮮の文化語も実際には20世紀前半以来のソウル方言を基盤として発展した経緯を持つ。また、本土の方言は西北方言、東北方言、中部方言、西南方言、東南方言の5つに大別される。
よくある質問
朝鮮語と韓国語は異なる言語ですか?
言語学的には同一の言語ですが、南北の政治体制や言語政策の違いにより、語彙、正書法、発音などに一部の差異が存在します。
朝鮮語の基本語順は何型ですか?
日本語と同様にSOV型(主語・目的語・述語)の語順を持ちます。
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日本語ハングル言語学膠着語
参考文献
福井玲『韓国語音韻史の探求』三省堂、2013年。
梅田博之「朝鮮語」亀井孝、河野六郎、千野栄一(編)『言語学大辞典』第2巻【世界言語編】、三省堂、1993年。
小倉進平『朝鮮語学史』大阪屋号書店、1920年。