地球科学

中間圏界面における温度構造と地球大気の特徴

中間圏界面における温度構造と地球大気の特徴
中間圏と熱圏の境界である中間圏界面の温度構造、中間圏界面異常、および二酸化炭素増加に伴う気候変動の影響について解説します。

📌 主なポイント

  • 中間圏界面は中間圏と熱圏の境界であり、地球大気で最も温度が低くなる領域である。
  • 高度約85 km付近に加え、高度100 km付近にも低温のピークが存在することが近年の研究で示されている。
  • 中間圏界面異常により、冬期よりも夏期の中間圏界面のほうが気温が低くなる。
  • 中間圏においては、二酸化炭素の増加が放射冷却を促し、温度低下をもたらす。

中間圏界面(ちゅうかんけんかいめん、英語: mesopause)は、中間圏と熱圏との間で温度が最も低くなる高度位置を指す大気境界領域である。

地球大気の鉛直構造を示す図
地球大気の鉛直構造

温度構造と低温の特性

太陽による加熱の不足や、二酸化炭素による放射冷却の影響により、中間圏界面の温度は-100 °C(173 K)程度まで低下し、地球大気の中で最も低温となる場所である。

長らくその高度は約85 km付近と考えられてきたが、近年の高高度における観測データや数値モデルを用いた研究により、高度85 km付近に加えて、高度100 km付近にもより強い低温のピークが存在することが示されている。

中間圏界面異常

もう一つの重要な特徴として、中間圏界面異常と呼ばれる現象がある。これは、季節による温度変化が通常とは異なり、冬期よりも夏期の中間圏界面のほうが温度が低いという現象である。

この異常は、大気の全球的な循環によって引き起こされる。夏の極地域では上昇気流が生じ、空気が膨張することで気温が低下する。一方、冬の極地域では下降気流によって空気が圧縮され、昇温が促される。中間圏界面におけるこうした南北の循環は、平均的な東西の空気の流れに逆らうだけの運動量を維持する重力波の散逸によってもたらされている。

温室効果ガス増加の影響

近年では、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの増加が地球大気の中間圏に与える影響についての研究が進められている。

地表付近や対流圏とは異なり、中間圏では二酸化炭素の増加が放射の放出を促進するため、結果として温度が低下する傾向にある。観測結果も中間圏界面での気温低下を示しており、気候変動モデルを用いた解析の対象となっている。

よくある質問

中間圏界面とは何ですか?
中間圏と熱圏の境界に位置し、大気中で最も温度が低くなる高度領域のことです。
中間圏界面の温度はどのくらいですか?
太陽による加熱の不足や二酸化炭素による放射冷却により、-100 °C(173 K)程度にまで低下します。
中間圏界面異常とはどのような現象ですか?
冬期よりも夏期の中間圏界面のほうが温度が低くなる現象であり、大気の循環や重力波の散逸によって引き起こされます。

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参考文献

小倉義光『一般気象学』(第2版補訂版)東京大学出版会、2016年。 International Union of Pure and Applied Chemistry. Compendium of Chemical Terminology. Xu, Jiyao et al. (2007). "Mesopause structure from Thermosphere, Ionosphere, Mesosphere, Energetics, and Dynamics (TIMED)/Sounding of the Atmosphere Using Broadband Emission Radiometry (SABER)". Journal of Geophysical Research.