色彩工学
CIE 1960 色空間の概要と特徴

CIE 1960 色空間(マクアダムの(u, v)色度空間)の歴史的背景、CIE XYZ色空間との関係性、相関色温度の計算における役割について解説します。
📌 主なポイント
- ✓CIE 1960 色空間は、デビッド・マクアダムによって考案された (u, v) 色度空間である。
- ✓ディーン・B・ジャッドの均等色空間をもとに、計算の簡略化を図って設計された。
- ✓国際照明委員会(CIE)により1960年のブリュッセル会合で標準均等色空間として採択された。
- ✓主に相関色温度の計算において利用されてきた。
CIE 1960 色空間(シーアイイー 1960 いろくうかん)は、アメリカの光学学者デビッド・マクアダムによって考案された(u, v)色度空間である[1]。CIE 1960 均等色空間(UCS:Uniform Color Space)、または単に均等色空間とも称される。
本色空間は輝度成分を含まないが、三刺激値のXYZ色空間におけるY成分や、CIE 1964 色空間における輝度値に近いWなどが組み合わせて使用される場合がある。

歴史的背景
ディーン・B・ジャッドは、CIE XYZ三刺激値から単純な射影変換を用いて、より人間の知覚特性に均等な色空間を導出した[3]。ジャッドによる変換式は以下の通りである。

マクアダムは、ジャッドが導出した均等色空間について、計算の簡略化を目的としてさらなる単純化を行った。これにより得られたのが(u, v)色度座標である。


国際照明委員会(CIE)の色度委員会は、ブリュッセルで開催された第14回会合において、従来のxy色度座標よりも知覚的な均等性を持つ色空間としてマクアダムの提案を審議し、その翌年に正式な標準均等色空間として採択した[5, 6]。

用途と変遷
CIE 1960 均等色空間は、主に黒体軌跡上に等温線として表現される相関色温度を計算するために用いられる。均等色空間の初期の重要な成果であったが、現在ではより知覚的な均等性を改良したCIE 1976 均等色空間(u'v'色度空間など)のほうが広く利用されている。














よくある質問
CIE 1960 色空間とは何ですか?
デビッド・マクアダムによって考案された(u, v)色度空間であり、CIE 1960 均等色空間(UCS)とも呼ばれます。
どのような目的で使用されますか?
主に、黒体軌跡上の等温線に基づいて相関色温度を計算するために用いられます。
CIE 1976 均等色空間との違いは何ですか?
CIE 1960 色空間の概念をさらに発展・改良し、知覚的均等性をより高めたものがCIE 1976 均等色空間です。
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参考文献
- MacAdam, David Lewis (August 1937). “Projective transformations of I.C.I. color specifications”. JOSA 27 (8): 294–299. doi:10.1364/JOSA.27.000294.
- Arun N. Netravali, Barry G. Haskell (1986). Digital Pictures: Representation, Compression, and Standards (2E ed.). Springer. p. 288. ISBN 0-306-42195-X.
- Judd, Deane B. (January 1935). “A Maxwell Triangle Yielding Uniform Chromaticity Scales”. JOSA 25 (1): 24–35. doi:10.1364/JOSA.25.000024.
- OSA Committee on Colorimetry (November 1944). “Quantitative data and methods for colorimetry”. JOSA 34 (11): 633–688.
- CIE (January 1960). “Brussels Session of the International Commission on Illumination”. JOSA 50 (1): 89–90.
- CIE (1960年). “Publication No. 004: Proceedings of the CIE Session 1959 in Bruxelles”. p. 36.