気象学

環天頂アーク:大気光学現象の解説

環天頂アーク:大気光学現象の解説
環天頂アーク(逆さ虹)の発生原理、観測条件、および太陽高度との関係について解説する大気光学現象の百科事典記事です。

📌 主なポイント

  • 環天頂アークは、六角板状の氷晶による太陽光の屈折で発生する。
  • 太陽高度が約32度を超えると観測できない。
  • 形状が地平線に向かって凸型であるため、逆さ虹とも呼ばれる。
  • 他の大気光学現象と比較して、色の分離が鮮明である。

環天頂アーク(かんてんちょうアーク、英語: circumzenithal arc)は、大気光学現象の一種であり、太陽の上方に現れる虹のような光の帯を指す。その形状が地平線に向かって凸型に見えることから、俗に逆さ虹とも呼ばれる。

発生のメカニズム

環天頂アークは、上空の雲に含まれる六角板状の氷晶によって太陽光が屈折することで発生する。風が弱く、氷晶が空気抵抗によって六角形の面を地面と水平に保った状態で浮遊している際に観測されやすい。

この氷晶の上面から入射した光が側面から出射する際、氷晶が頂角90度のプリズムとして機能する。この過程で光が分光されるため、他の大気光学現象と比較して色が鮮明に分離して見えるのが特徴である。太陽側が赤色、その反対側が紫色となる。

観測条件と太陽高度

環天頂アークの出現は太陽高度に大きく依存する。太陽高度が約32度を超えると、氷晶内部で光が全反射してしまい、アークは現れない。そのため、観測可能な太陽高度は0度から約32度の範囲に限定される。

空に浮かぶ環天頂アーク
空に浮かぶ環天頂アーク
  • 太陽高度が約22度の場合、太陽から約46度上方に現れる。
  • 太陽が地平線上にある場合、約58度の高度に現れる。
  • 太陽高度が約32度に達すると、アークは天頂付近に現れ、これを超えると消失する。

弧の中心角は太陽高度が低ければ小さく、太陽高度が高くなるにつれて大きくなる傾向がある。

よくある質問

環天頂アークはなぜ「逆さ虹」と呼ばれるのですか?
虹が地平線に対して凹型(アーチ状)に見えるのに対し、環天頂アークは地平線に向かって凸型に見えるため、逆さ虹という通称で呼ばれることがあります。
環天頂アークはいつでも見ることができますか?
いいえ、太陽高度が約32度以下であること、および上空に六角板状の氷晶を含む雲が存在し、かつ風が弱いという条件が揃う必要があります。

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参考文献

気象庁「大気光学現象」資料、日本気象学会関連文献