地質学

砕屑物(地質学)

砕屑物(地質学)
地質学における砕屑物(さいせつぶつ)の定義、粒径による分類、および砕屑性堆積岩との関係について解説します。

📌 主なポイント

  • 砕屑物は、岩石が物理的・化学的に破壊されて生じた粒子である。
  • 粒径に基づき、礫、砂、シルト、粘土に分類される。
  • 砕屑物が固結した岩石を砕屑性堆積岩と呼ぶ。
  • 火山活動由来の破片は火山砕屑物(火砕物)として区別される。

砕屑物(さいせつぶつ、英: clastics, detritus)とは、既存の岩石が風化や侵食作用によって破壊され、運搬・堆積してできた破片や粒子の総称である。地質学において、堆積物を構成する主要な要素の一つとして扱われる。

粒径による分類

砕屑物は、その粒径(粒子の大きさ)に基づいて細かく区分される。この分類は、堆積物の生成過程(侵食、運搬、堆積の環境)を推定する上で極めて重要である。一般的に用いられる粒度階区分(Wentworth's grade scale)では、粒径を等比級数的に区分する。

ファイ(φ)スケールの数式
粒径を対数的に表現するファイ(φ)スケールの定義式

粒径区分は以下の通りである。

  • : 2mm以上
  • : 2mm - 1/16mm
  • シルト: 1/16mm - 1/256mm
  • 粘土: 1/256mm以下
粒径計算式
粒径dと基準粒径d0を用いたファイ(φ)の計算式

砕屑性堆積岩

砕屑物が固結して形成された岩石を砕屑岩と呼ぶ。粒径の区分に対応して、礫岩、砂岩、泥岩(シルト岩や粘土岩を含む)などに分類される。これらの岩石は、堆積時の環境や運搬媒体のエネルギー状態を反映している。

粒径dの概念
砕屑粒子の直径d

火山砕屑物

火山活動によって放出された破片状の物質は火山砕屑物(火砕物)と呼ばれる。これには火山灰、火山礫、火山岩塊などが含まれる。火山砕屑物は、通常の風化による砕屑物とは生成過程が異なり、飛散距離や発泡度合いによっても分類されることがある。

基準粒径d0
粒度区分における基準粒径d0

よくある質問

砕屑物と堆積物の違いは何ですか?
堆積物は地表に堆積した物質全般を指す広義の用語であり、砕屑物はその中で特に岩石の破片からなるものを指します。
なぜ粒径で分類するのですか?
粒径は、その粒子がどのような環境(流速や運搬距離など)を経て堆積したかを推定するための重要な指標となるためです。
火山砕屑物も砕屑物に含まれますか?
広義には破片状の物質として含まれますが、生成過程が火山活動に由来するため、地質学的には「火山砕屑物」として独立して分類されるのが一般的です。

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参考文献

  • 文部省編『学術用語集 地学編』日本学術振興会、1984年、119頁。
  • 指田勝男ほか『地球進化学』古今書院、2007年、38頁。