崖の地形学的特徴と分類に関する総合事典

📌 主なポイント
- ✓崖とは、山や岸などの険しく切り立った場所、および地表の高度が急変する急斜面を指す。
- ✓日本の宅地造成等規制法施行令では、地表面が水平面に対し30度を超える角度をなす土地で硬岩盤以外のものを崖と規定している。
- ✓ギネスワールドレコーズにおいて世界で最も高い崖と認定されているのは、ハワイ・モロカイ島のカラウパパの崖である。
崖(がけ、がい)とは、山や岸(海岸・河岸・湖岸)などの、険しく切り立った場所を指す。地表の高度が急変する部分の急斜面として定義されることもある。通常は60度以上の急傾斜面を指すことが多いが、上下に平坦面が存在する場合は、高さが数メートル以下で斜度が30度以下であっても崖と呼ばれることがある。
垂直かそれに迫るほど切り立った崖は、古来の日本語で切岸(きりぎし)と呼ばれてきた。現代語では主に断崖(だんがい)と呼ばれ、懸崖(けんがい)や絶崖(ぜつがい)とも表現される。また、切り立った状態を壁に比喩した絶壁(ぜっぺき)という言葉もあり、これらを合わせて断崖絶壁と表現されることもある。
崖の成因と分類
自然の流水、雨水、海水、風、氷河といった外的な作用が地形営力として働き、地表の岩石や土壌が侵食されることで崖が形成される。
自然侵食による崖
海水の運動によって海岸やその周辺の浅海底が侵食される現象を海食といい、これによって生じる崖を海食崖(かいしょくがい、海崖とも)と呼ぶ。また、河川の浸食作用によって形成された崖は河食崖(かしょくがい)と呼ばれる。特に崖の上位が海成段丘や河岸段丘である場合は段丘崖と称される。


宅地造成における法的定義
日本の宅地造成等規制法施行令第1条第2項においては、地表面が水平面に対し30度を超える角度をなす土地で硬岩盤以外のものを「崖」としている。また、切土や盛土により生じる崖面については、土質に応じた安全な勾配を保つか、あるいは擁壁で覆うことが規定されている。

生態系における役割
崖は、その急峻な地形ゆえに特異な生息環境を提供する。中型・大型の哺乳類にとって捕食者から身を守る安全地帯となり得るため、アイベックスなどの偶蹄類やユキヒョウといった動物が高度に適応している場合がある。また、鳥類にとっても、捕食圧から逃れる場や、そこから獲物を狙う場所、さらに上昇気流を利用するための重要な環境となっている。

世界および日本の代表的な崖
世界で最も高い崖としてギネスワールドレコーズに認定されているのは、ハワイのモロカイ島にある「カラウパパの崖」であり、これは高さ約1,010メートルの海食崖である。一方で、カナダのバフィン島にあるトール山の西壁は高さ1,250メートルに達し、氷食尖峰の一角として知られている。


日本国内においても、三陸海岸の北山崎、福井県の東尋坊、和歌山県の三段壁、島根県隠岐諸島の摩天崖など、数多くの著名な海食崖が存在する。
日本語の古語・方言
日本各地には崖や崖線に関連する地形が存在し、「ママ」「ハケ」「ホキ」「ノゲ」といった古語や方言が各地の地名として現在に伝えられている。
よくある質問
崖の一般的な定義は何ですか?
海食崖とはどのようなものですか?
法律上、日本で崖とみなされる基準は何ですか?
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参考文献
宅地造成等規制法施行令(e-Gov法令検索)
『大辞林 第三版』(コトバンク)