環境科学

気候変動の科学的メカニズムと国際的動向

気候変動の科学的メカニズムと国際的動向
気候変動の定義や用語の違い、自然要因と人為的要因によるメカニズム、国際的な取り組みについて解説する百科事典記事です。

📌 主なポイント

  • 気候変動は、自然要因と人間活動に起因する人的要因の双方によって引き起こされる。
  • IPCCや気候変動枠組条約では、地球温暖化とその影響を包括して気候変動と呼ぶことが多い。
  • 世界気象機関(WMO)などの観測により、地球規模の気候システムの加熱や温室効果ガスの増加が確認されている。

気候変動(きこうへんどう、英語: climate change / climatic variation)とは、長期間にわたって気温、降水量、雲などの気候平均やその変動性が変化する現象を指します。自然の内部過程や太陽活動、火山噴火などの自然要因に加え、人間活動による大気組成や土地利用の変化といった人的要因が深く関与しています。

用語の定義と区別

気象学の専門用語において、「気候変動(climatic variation)」は通常、過去30年などの平年値からの偏差を意味し、より長期的な時間スケールで気候そのものが変化する現象は「気候変化(climate change)」として区別されることがあります。しかし、国際連合気候変動枠組条約(UNFCCC)や気候変動に関する政府間パネル(IPCC)などの国際機関では、用語の運用や翻訳において独自の文脈で使用されることが一般的です。

南極ボストーク湖の氷床コアに記録された過去40万年間の気温、二酸化炭素濃度、ダスト量の変化を示すグラフ
南極ボストーク湖の氷床コアに記録された過去40万年間の気温、二酸化炭素濃度、ダスト量の変化。

気候を変化させる要因

地球規模の気候は、気候システムに内在するプロセスと、システム外からの影響である外部強制力によって決定されます。

自然要因

自然起源の外部因子には、太陽活動の変動や地球の公転軌道の周期的変化、火山噴火などがあります。大規模な火山噴火は、成層圏に二酸化硫黄やダストを放出し、硫酸エアロゾルを生成して地表への日射量を減少させることで、短期的な寒冷化を引き起こすことが知られています。

スクリップス海洋研究所が測定・公表しているキーリング曲線と呼ばれる大気中二酸化炭素濃度の長期測定グラフ
スクリップス海洋研究所が測定し公表している「キーリング曲線」と呼ばれる地球大気の長期間にわたる二酸化炭素濃度測定グラフ

人為的要因

産業革命以降、化石燃料の燃焼や森林伐採、農業などの土地利用の変化に伴い、大気中の温室効果ガス(二酸化炭素やメタンなど)が急増しました。これが放射強制力を正に働かせ、地球規模の気温上昇をもたらす主要因となっています。

国際的な取り組み

気候変動問題に対処するため、国際社会では枠組み作りが進められてきました。1997年に採択された京都議定書に続き、2015年にはパリ協定が採択され、温室効果ガス排出削減に向けた世界的な目標が共有されています。

よくある質問

気候変動と地球温暖化の違いは何ですか?
地球温暖化は地球の平均気温が上昇する現象を指し、気候変動は気温だけでなく降水量や雲など気候全体の長期的な変動を含む、より包括的な概念です。
気候変動を引き起こす主な要因は何ですか?
太陽活動の変動や火山噴火といった自然要因と、化石燃料の燃焼や土地利用の変化に伴う温室効果ガスの排出といった人為的要因があります。
パリ協定はいつ採択されましたか?
2015年11月に開催された第21回気候変動枠組条約締約国会議(COP21)で採択されました。

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参考文献

  • 気象庁『気候変動監視レポート 2022』2023年3月。
  • 国立研究開発法人国立環境研究所『気候変動適応用語集』。
  • World Meteorological Organization 『State of the Global Climate 2024』 2025年。