歴史
イギリス植民地省の歴史と変遷

大英帝国の植民地支配を担ったイギリスの中央官庁「植民地省」の歴史、組織の変遷、および廃止に至る経緯を解説します。
📌 主なポイント
- ✓植民地省は1854年6月12日に陸軍・植民地省から分離して設置された。
- ✓インドの植民地統治は植民地省ではなくインド省が所管していた。
- ✓1966年8月1日に廃止され、連邦省に統合された。
植民地省(Colonial Office)は、かつて存在したイギリスの中央官庁の一つであり、大英帝国の植民地支配に関する事務を所管しました。1854年に独立した官庁として設置され、植民地大臣がその指揮を執りました。

組織の歴史的背景
17世紀以降、イングランドの植民地行政は枢密院の委員会や通商・拓殖委員会などが担当していました。1801年には、フランス革命戦争の影響による軍事的な統括の必要性から、内務省の植民地部門が陸軍省と統合され、陸軍・植民地省が創設されました。

19世紀中期のクリミア戦争を経て陸軍省の非効率性が指摘されると、1854年に陸軍・植民地省は分離され、植民地省が独立した官庁として再編されました。なお、インドの統治については植民地省ではなくインド省が所管していました。
組織の縮小と廃止
20世紀に入ると、自治領(ドミニオン)の独立に伴い、1925年に自治領省が分離されました。第二次世界大戦後、植民地の独立が加速したことで管理対象の人口は激減し、省庁としての役割は縮小しました。1966年、植民地省は連邦関係省と合併して連邦省となり、その歴史に幕を閉じました。その後、1968年には外務省と統合され、現在に至る外務・英連邦・開発省へとつながっています。
よくある質問
植民地省はいつ設立されましたか?
1854年6月12日に、陸軍・植民地省から分離する形で独立した官庁として設立されました。
植民地省はなぜ廃止されたのですか?
第二次世界大戦後の植民地独立の加速により管理すべき地域や人口が激減し、独立した省庁として存続する意義が薄れたためです。
植民地省の後はどの組織に引き継がれましたか?
1966年に連邦関係省と合併して連邦省となりました。その後、1968年に外務省と統合され、現在の外務・英連邦・開発省へと発展しました。
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参考文献
松村赳、富田虎男『英米史辞典』研究社、2000年、156頁、672頁。