色彩学

色彩を三次元で捉える色立体の構造と用途

色彩を三次元で捉える色立体の構造と用途
カラーモデルを三次元で表現した色立体について、その構造や歴史的な色球体、等色相面の仕組みを分かりやすく解説します。

📌 主なポイント

  • 色立体はカラーモデルを三次元空間で表現したものであり、すべての色彩の変化を立体的に示すことができる。
  • フィリップ・オットー・ルンゲやヨハネス・イッテンなどの色彩理論家によって、色球体をはじめとする様々なモデルが提案された。
  • 等色相面は色立体を無彩色を含む面で切断した断面であり、縦軸に明度、横軸に彩度をとって表される。

色立体(いろりったい、英: color solid)は、カラーモデルを三次元空間で表現したものであり、二次元空間における色環と同等である。二次元の色環が主に色相や明度、あるいは彩度の一部を表すのに対し、色立体はそれらの要素に空間的な次元を追加することで、すべての色彩の変化を体系的に表現する。

HSL、HSV、RGBそれぞれのカラーモデルにおける色立体の比較
HSL、HSV、RGBそれぞれのカラーモデルにおける色立体の比較。

色立体の構造

色彩理論家たちによって様々な色立体が定義されてきた。多くのモデルは球体や楕円体を採用しており、色の定義を視覚化するためにデザインされている。フィリップ・オットー・ルンゲやヨハネス・イッテンによる色球体はその代表例であり、後の多くの色立体図法の原型となった。

1810年のフィリップ・オットー・ルンゲによるFarbenkugel(色球体)
1810年のフィリップ・オットー・ルンゲによる Farbenkugel(色球体)は、球体の表面(上側2枚の図)と、それらを水平・垂直に切り出した図(下側2枚の図)から構成される。
1900年のアルバート・マンセルによる色球体
1900年のアルバート・マンセルによる色球体
2011年のJesse Henselによる塩の生地を用いて作られた色球体
2011年のJesse Henselによる塩の生地を用いて作られた色球体
色球体の一部
色球体の一部。色スペクトルが表現されている。

球体モデルにおいて、等しい明度の中で最も彩度が高い純色は外周の赤道付近に配置される。赤道から球体の中心に向かって進むにつれて彩度は低下し、中心軸上では無彩色のグレーとなる。また、縦方向に移動すると北極側に向かって明度が上がって白へ集約し、南極側に向かって明度が下がり黒へと集約していく。

等色相面

等色相面(とうしきそうめん)とは、色立体を無彩色を含んだ面で切断した断面のことである。「等色相断面」や「等色相平面」とも呼ばれ、オストワルト表色系のように三角形で描かれる場合は「等色相三角形」とも称される。一般的に縦軸に明度、横軸に彩度が設定され、同一色相における明度と彩度の変化が示される。

マンセル表色系の等色相面
マンセル表色系の等色相面(5PBと5Yの2色)
NCSの等色相面
NCSの等色相面(G30Yの単色)

用途

美術家や美術批評家の間では、色相・明度・彩度の三つの要素を同時に利用するために色立体が用いられる。HCL色空間やHSLカラーモデルなどと同様に、絵画の制作や美術作品の解析において重要な役割を果たしている。

よくある質問

色立体とは何ですか?
カラーモデルを三次元で表現したものであり、色相・明度・彩度の変化を空間的に表す仕組みです。
等色相面とはどのようなものですか?
色立体を無彩色を含んだ面で切断した断面のことで、同一色相における明度や彩度の変化を示します。

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参考文献

  1. Johannes Itten, "The Art of Color", 1961. Trans. Ernst Van Haagen. New York: Reinhold Publishing Corporation, 1966. ISBN 0-442-24038-4.
  2. “等色相面”. Dictionary Of Multimedia. 2021年7月14日閲覧。
  3. “等色相面”. 建築用語.net. 2021年7月14日閲覧。