工学・技術
工業用および家庭用流体機械としての圧縮機の構造と分類

流体機械の一種である圧縮機(コンプレッサ)の定義、ターボ圧縮機や容積圧縮機などの主な分類、駆動機構について解説する技術解説記事。
📌 主なポイント
- ✓圧縮機は、羽根車、ローター、ピストンなどの運動によって気体などの流体を圧送する流体機械である。
- ✓2005年のJIS改正により、ISOなどの国際規格との整合性が図られた。
- ✓圧縮機は大きくターボ圧縮機と容積圧縮機の2つに大別される。
圧縮機(あっしゅくき、英: compressor)は、羽根車やローターの回転運動、またはピストンの往復運動などによって気体や液体などの流体を圧送する機械の総称である。「コンプレッサ」とも呼ばれる。
定義と規格の変遷
流体機械に分類される圧縮機は、機械エネルギーを流体が持つエネルギーに変換する装置である。気体にエネルギーを与えて低圧から高圧へ送り出す送風機、圧縮機、排風機、真空ポンプは本質的に同じ系統の機械であり、圧送か排出か、あるいは圧力比の高低によって区別される。日本国内においては、ISOなどの国際規格との整合性を保つため、2005年(平成17年)にJIS(日本産業規格)の定義が改正され、有効吐出し圧力が200 kPa以下のものがブロワとして定義されるなど、分類の整理が行われた。
主な分類と機構
圧縮機は、気体に与える圧力の発生原理によって大きく「ターボ圧縮機」と「容積圧縮機」に大別される。
ターボ圧縮機
気体に働く運動エネルギーを利用して圧力を与える方式であり、一般に容積圧縮機よりも大容量の用途に適している。
- 遠心式圧縮機:軸方向に吸い込んだ流体を外周部へ吐き出すことで圧力を与える。1段で比較的大きな圧縮比が得られるため小型化に向く。
- 軸流式圧縮機:軸方向から吸い込み、軸方向に圧力を与える。動翼と静翼の組み合わせにより、多段構成で効率よく高圧縮比を得ることができる。
容積圧縮機
機構内部の体積変化を利用して圧力を与える方式である。
- 往復動圧縮機(レシプロ圧縮機):ピストンの往復運動によるシリンダーの容積変化で圧縮を行う。高圧を得られる反面、振動や騒音が大きくなりやすい特徴を持つ。
- スクロール圧縮機:一対の渦巻き体の相対的な運動によって圧縮室の体積を小さくする。自動車用空調や一般空調などで広く利用されている。
- スクリュー圧縮機:2つまたは1つのスクリュー型回転体の溝を利用して体積変化させる。ツインスクリュー式やシングルスクリュー式があり、無給油式や水潤滑方式などが用途に応じて選択される。
原動機との接続方式
圧縮機を駆動する原動機との接続構造には、全密閉型、半密閉型、開放型などがあり、用途や冷媒の種類に応じて選定される。
よくある質問
圧縮機と送風機の違いは何ですか?
どちらも流体機械に分類され本質的には同じ仕組みですが、圧力比や用途によって呼び方が異なります。国際規格との整合性を図るJISの定義において、有効吐出し圧力が200 kPa以下のものはブロワとして扱われます。
ターボ圧縮機の特徴は何ですか?
気体に働く運動エネルギーを利用して圧力を与える方式で、一般的に容積圧縮機よりも大容量の気体を処理するのに適しています。
関連記事
流体機械ポンプガスタービン冷凍機
参考文献
JIS B 0132 2005 送風機・圧縮機用語および解説